振り返りをチームに導入するときの苦悩と工夫
みんなに振り返り習慣をつけてほしいが…「やってもらう」のが本当に難しいtsawada.icon 本人が「自分は困っている」と認識しないとやってもらえない
「振り返りは時間がかかるもの」と認識されているから。
大体の場合困ってない。
表層の原因(例:期限遅れた)への対策(例:タスク管理ツールに登録)は、時間かけずともすぐできる。
「自分の特性を理解した、自分に合わせた業務/人生のあり方を研究する」ための「振り返り」は多くの場合必要じゃない
すべての事象を自責する人であれば振り返りは機能する。
自責する人は…、あらゆるミスを「自分のせい」と考えて、「どうやったら防げただろう…」と悩む。
普段から内省(=振り返り)しているので、振り返り習慣がある
後は「効果的な振り返り」ができるようになればいい
「これはしょうがないっしょ」「これはAさんのせいだ」とする人に振り返りをしてもらうのは難しい。
他責が発生しないような「自分がやりたくて仕方のないこと」に注力してもらえると最高
「自分で精度高く振り返りをする」のも難しい。
言語化(=高い解像度で自分を観察すること)が超難しい
大体の場合ボキャブラリーや、具体経験が足りない。
具体経験、ボキャブラリーを増やすには「読書」や「他者から実体験を聞く」のが欠かせない
こういうのは稀有
読書を継続的にする人。珍しい
課題に感じてないものも「これは成長したい」と思って本を買って読む人はさらに珍しい。
「振り返りを通して状況を正しく把握し、改善アクションをとって、状況を変えていく」のを一人でやるのはかなり難しいtsawada.icon
3つもハードルがある
改善アクションをちゃんと知っていること。たくさん手段を持っていること
振り返りを通して自分を、周囲を、しっかり認識すること
「うまくいかないかもしれない」と思いながらも、諦めずに、改善アクションを繰り返したりやり方を変えたりすること
3つのハードルを一人で超えられるひとは珍しい
その人はきっとスーパーマン。
3つのハードル越えないと、「振り返りをしてよかった」という経験を得られない。
このサイクルを数回回さないと良さがわからない。
このハードルを低くするのを何らかの仕組みで担保しないといけない。
振り返りサポートで大事にしている心構え
本人にとってチャレンジであれば、丁重に扱う。しっかりと勇気を認める
周囲から見たら「しょぼい仕事」であっても。
会社としては「しょぼい成果」であっても。
本人ビューで勇気が必要なアクションならば、丁寧に扱う。その勇気が他の「チャレンジ」でも発揮されるように。
勇気を受け止めた上で、「求めるもの」を伝える。
勇気というエンジンを止めずに、対話を通して向かう方向を変える。
このエンジンは一度消えるとそうそう着かない。
対話を通して「本人にとっても、周囲にとっても良い成果」に向かうように一緒に修正する
ハードル低くするための仕組みとしてtsawada.iconが良くやったことは
1.icon tsawada.iconがめぼしい改善案を大体経験すること。そしてそのメリデメを振り返り実施者にしっかり伝えること
2.icon 「詰められている」と思われない質問の仕方を徹底すること。
3.icon 改善されるまで「改善アクションが継続される」ように、併走すること
1.icon tsawada.iconがめぼしい改善案を大体経験すること。そしてそのメリデメを振り返り実施者にしっかり伝えること
「やったことがないこと」に良さを心の底から感じることはできない
経験がないから。
経験がない中でも「初めてのやり方」にチャレンジ,時間を使うには勇気がいる
メンターが勇気を支援する
勇気の持たせ方はいくつかある
「信頼しているメンターが、自信を持って勧めてくれた」
「改善アクションを自分に任せず、一緒にやってくれた」
などなど。
「未知なものは怖い。怖いものは後回しにしてしまう」という人間の特性を理解した上で、小さな勇気の灯火を消さないようにサポートする 2.icon 「詰められている」と思われない質問の仕方を徹底すること。
質問を通して言語化を促進する
「自分が知っている改善案で解決できるところ」まで質問を繰り返す
質問を受け入れてもらうには「関係性」が重要
特に「tsawada.iconに悪意がないと腹落ちしてもらう」のが欠かせない。
「tsawada.iconは自分のために、この(詰めるような)質問をしてきているんだ」と思われたら負け
「tsawada.iconは私に寄り添った改善策を見つけ、一緒に進めてくれるために、質問を通して私を理解しようとしている。質問にすっと答えられないのは当たり前だ。時間かかっても良い。誠実に答えよう」と思われるようにする
質問の仕方も工夫する。例を記載する
「なぜ?」は絶対に使わない。因果関係を本人に答えさせない
これは「釈明(=論理的に自分の状況を伝え、tsawada.iconを納得させること)」を求める表現
どんなに関係性がよくても、詰問に感じやすい。
「相手をありのまま理解する」ことにつながらない。
多分コーチングのコーチは「なぜ」って聞かないようにしているはず
「お、どこで思ったの?」「きっかけは?」と事実を確認する
周囲の事実を集めていく。
事実を集めた後で、その因果関係を「まるで他人事のように」一緒に整理していく
「一緒に他人事として扱う」は大事。自分が嫌悪する自分の特徴も少し受け入れやすくなる
人の「悪癖」は、本人も気付いているケースが多い。
気付いているものをズケズケと突っ込まれると拒否反応が出てしまうので、「一緒に気づく」「丁寧に扱う」のが重要
「なぜ?」で聞くと、「本人が今回の件と因果関係があると認識したこと」しか出てこない
大体の場合、因果関係の認識が間違っている(これの程度が強いものが囚われ、トラウマ)
これはtsawada.iconもよく間違う。
「自分の解釈が正しいか?」を確認する時には、「まず事実を集める」のが大事
「なぜこの質問をしているのか?」は一緒に添える
これ本当に大事。
NPの人たちは勘がいい。子供も勘がいい。多分人間は皆勘がいい。
勘がいいので「自分で気づいてもらうために質問で誘導する」のはバレる。
一瞬でバレる
ばれた上で関係性が悪化する
「気づいてもらいたい」のであれば、「自分で考えられるようになって欲しいので、tsawada.iconがよく使う基本的な問いをもとに、一度考えてみて欲しい」って言い方した方がいい。
つまり質問している理由もちゃんと伝える。
「なぜこの質問しているのか?」が唯一いらないのは「聞いてて本当に興味が出てきて、深く知りたい時」
この時は顔や声色に「もっと聞きたい!」が出る
この状態だったら、相手も質問されて嬉しいから気持ちよく答えてくれる。
この状態にならないんだったら、ちゃんと背景を伝えたほうがいい
「なぜ」を伝える上では「自分の大事な考え方を何度も伝える」のも超良い
普段から「tsawada.iconはこういう発想の人だよな〜」が伝わっているので、「tsawada.iconからヅケヅケFBをする」ようにしても受け取りやすくなっているはず
3.icon 改善されるまで「改善アクションが継続される」ように、併走すること
基本はTeachingと協働。
「この改善アクションで大丈夫だろうか‥?」と思っているときに、「具体的なやり方」や「他に優先したいこと」があると、改善アクションが実行されない
具体的なやり方はTeachingでサポートする
改善が劣後しないようにペアワークで時間を抑える