6_18期おふくろのリード練習法
【はじめに】
こんにちは。18期おふくろです。
パートはリード/コーラスを担当していました。
邦楽アレンジバンドでリードをすることが多かったです。
私がリードに於いて意識していたことを年次を追ってバンド毎に話せたらなと思います。
【目次】
1.アルベルト・ザッケロ臣/spi1〜2
2.The Magical Parade/spi3
3.寒椿/spi4
4.私のリードとは
【1.アルベルト・ザッケロ臣/spi1〜2】
君と夏フェス/7:30頃〜
https://youtu.be/KVgvgbuQiEk
『100人ノッても大丈夫!』邦ロックアレンジバンドです。
あるべると ざっけろおみ、と読みます。
spi1の夏頃先輩から誘ってもらい、spi2の終わりまで活動しました。
お客さんにも参加してもらいながら楽しむコンセプトで、君と夏フェスでは難しめな手拍子を一緒にしてもらったりしていました。
◯キモく歌いたくない
自分の録音を聞いたり、動画を見たりするとキモすぎて無理になりませんか?私はなってました。積極的になってました。
でもここで何がキモいのか、目を背けずに見直して特定します。
そして、キモくしないためにどうすれば良いか考えて、沢山試しました。
改善ための引き出しを原曲から盗んできたり先輩に相談したり先輩から盗んだりしました。
もちろんココは良いな!と思う所も特定して自分のものにします。そこが自分の強みになると思います。
◯最低限のリズム/音程を整える
音楽は、最低限の楽譜のルールに則らなければただの不協和音となります。
チューナーやメトロノームに合わせてキーやテンポを崩さず歌えるように練習しました。
ただ、4年目になっても、もたる(拍から遅れる)癖やピッチが低い(正しい音よりも低い音を鳴らす)癖は抜けきりませんでした。
ハモるのが楽しいアカペラです。最低限のルールが守れると間違いなくハモります。
◯楽しい!を共有したいと思う
最初は歌うことに必死でしたが、段々余裕が出てきて見ているお客さんと楽しさを共有したいと思うようになりました。
・大きく動くこと/動きに意味を持たせること
・大きく表情を動かすこと
この2つを意識すれば、よりお客さんに伝わるな、と感じるようになりました。
◯大きく動くこと/動きに意味を持たせること
ステージング、思ったより動けていないことが多いのではないでしょうか。
ステージング…?左右に揺れといたら良い…?みたいな感じ。
その左右に揺れる動き、なんでしてるん?を考えてみましょう。
・動画8:18あたり『ロックスター もう(手拍子)我慢できない』
手拍子、いきなり始まるとみんなが参加できないですよね?
そろそろ始まるよ!せ〜の!がある方がわかりやすいですよね?
だから予感をさせる動き、まだ手拍子はしてないけど準備を促すような動きを大きく見せています。
・動画9:05あたり「全てがスローモーションになる」
「全てが」→大きく手を回して全てを表現
「スローモーションになる」→スローモーションを表現するため、あえてリズムに乗らずに動く。意味のある動きは大きく表現したいから、足を上げてみたり体を横に向けたり。
体のどこの面を見せたいのか、という意識がとっても大事だったな、と今になって思い返します。顔がついてる側の面しかお客さんに見せてはいけない!というルールはありません。やったことない動きをどんどん攻めます。見せた事ない体の面はお客さんにどんどん見せます。
手をあげるにしても手のひらはグー?パー?肘はどれくらい伸ばす?腕は斜め上に上げてみる?肘から手を投げるように上げる?それとも拳を突き上げるようにあげる?その時顔はどっち向いてる?手の方向?前?それとも手と逆の方?マイク持つ方の脇は開く?閉じる?そのとき屈んでる?飛んでる?後ろ向く?足は横に開いてる?片足上げてる?前後に開く?閉じてる?
いっくらでもなんぼでも動きのレパートリーは増やせます。満員電車の中で歌ってるみたいなステージングは場所がもったいないです。必要なら必要な分だけいくらでも動きましょう。
私は幼稚園の頃から10年くらいジャズダンスを習っていて、体をどう動かせばどう見えるのか、みたいなことが割とわかっているタイプでした。
そんなんやってるのはチート、と思われる方は
この記事にある事に関して全面賛同します。言語化すごい!ベースじゃなくても、ステージング苦手なアカペラーにとってこの記事はとっても有効だと思います。
◯大きく表情を動かすこと
動画9:45あたり間奏〜
曲の場面的には、『好きな人とフェスにきたのに憧れのアーティストに夢中になりすぎて好きな人を置いてけぼりにしてしまった!』です。楽し〜!てなってたのに急に不安そうな顔してますよね
10:05「あぁ私やっちゃった」とかマジでやっちゃった顔してますよね。でも10:23からだんだん事態が好転しそうな顔してますよね。
舞台はお客さんから遠いこともあり、表情まで見えないこともあります。でも、表情を動かすことで滲み出る雰囲気、みたいなのって伝わると思っています。
積極的に、主人公になりきりましょう。真似すると良いのがピクサーのキャラクター。
ただニッコリするのではなく、一瞬顔を少し下に傾けて顎を引いてから、覗き込むように上を見上げながらパッと素敵な笑顔を見せますよね?なんなら肩も少し上がる。
ただ落胆するのではなく、一旦肩を引き上げて眉をひそめて上を見上げたあと、肩をがくっと落として眉と口角を下げますよね。膝も少し緩んでガニ股になったり、腰が後屈したりする。
ピクサーの物真似をすることが有効な理由として、1つの動きをするための予備動作を学ぶことができる、ということがあります。
この予備動作があるのとないのとでは見え方が全く違いますからやってみてください。
また、『膝が緩むと腰が後屈する』はインターロックができれば自然とできるようになります。
不自然な体の動きが、連動した全身の動きになるのでステージングに悩んでいる方はインターロックとピクサーの物真似を頑張りましょう。
ただ、ここで注意が1つ。
照れたり、恥ずかしいと思った瞬間、お客さんにバレます。
あ、今恥ずかしいもの見てるんやって思われます。急に見てられなくなります。
これは慣れです。私は鏡の前でも本番でやっていたステージングをするメンタルを養いました。
自分が見て恥ずかしいものはみんなも見てて恥ずかしい。自信がつくまで鏡の前で練習あるのみです。
【2.The Magical Parade/spi3】
Circle Of Life/11:10頃〜
https://youtu.be/FINFRC67QDc
『ミュージカルの世界へ、ようこそ』
ミュージカルをやっていたバンドです。spi3の1年間活動をしました。
壮大なイメージを持つ曲が多く、1番の推し曲が劇団四季のライオンキングよりサークルオブライフでした。
◯発声を見直す
spi2の終わり頃、ひどく喉を壊し1ヶ月弱歌えなくなりました。
喉をコントロールするための方法を、無理をさせることしか知りませんでした。
楽に、思った通りの声を出せるようになるだけで表現の幅は広がります。
11:10の「Nants’ ingonyama bakithi baba」、決して良い発声とは言えませんが、悪い発声だと分かりながら出すのと何も分からず喉を酷使するのとでは大違いです。発声を見直すことで、自分の新たな声に気が付きました。
ここでは、だだっ広い草原に、ただ1つ真っ直ぐに響き渡る呼び声のようなイメージでした。
12:40「nn〜 この世界を理解したい」での発声は先程とは違いますよね。幅が広くて深くて、なんか多幸感がある感じ。母なる大地感。
自分の声にバリエーションを持つことで、何パターンにも表現の幅が広がります。
表現したいことを言語化し、それを叶えるためにはどんな発声ができるか研究しました。
【3.寒椿/spi3〜4】
罪と罰/2:40頃〜
https://youtu.be/IoEibp1mqTc
『力強くも、どこか儚い』JAM本選、決勝まで進んだバンドです。
私のリードとしての最終形態です。
バンドそのものを背負うつもりで、フロントマンとして歌っていました。
◯全神経尖らせる
上記の大きく動く、表情、発声を最大限に増幅させました。舞台に乗った一歩から降りきるまで、MCの時すら気を抜かないでいました。
視線や指先の動き、髪がどう流れるように首や手を動かすのか、どこでブレスをしてどこで叫ぶか、等こだわりぬいていました。
360度どこから見られても寒椿のおふくろであるよう意識していました。
◯視線
表情を動かす、にも繋がりますが、視線や眼力を意識していました。
『ぼんやりと客席を焦点を合わさずに見ると、お客さんは目があったと思いやすい』というのを宝塚歌劇団の女優さんが仰っていたのを耳にして広い会場ではMCのときにぼんやり客席を見たり、逆に1人を呪い殺すみたいに強い視線で見つめることで観客に『何かを強く見ている』と訴えかけたりしました。
【4.私のリードとは】
他にもバラードを歌ったりもしてたのですが、あまり上手になれませんでした。なんなら1番長い期間向き合ったし、バラードのバンドごとの歌い分けにもチャレンジしました。でもお客さんには伝わらないことも多かったです。
それは、私のリードが『なりきり型』だったからです。
バラードで歌詞の意味を伝えるのに、『役』が見えるとちょっとうんざりしちゃう。そこを乗り越えられませんでした。
本当に心に染み入る歌唱力は私にはありませんでした。というより今になって思うのは練習を怠ってしまっていたのだと思います。
なぜなら、ズバ抜けて得意、を磨くのに一生懸命だったからです。
よっぽどのことがない限り、リードはバンドの顔です。
私の代には本当に本当に素晴らしいリードが沢山いて、歌唱力や良い声などでは太刀打ちできないな、と思ったのです。
私には、聞いていて心地いい声も、本当に染みる歌も、ありませんでした。
でも求められていて、得意で、人とは違う何かを探してみてください。
リードは、替わりがいてはいけないパートです。
自分にとって何が唯一無二の個性なのかを見つけてください。
その個性を、頑張って伸ばしてください。
苦手を得意にするのは大変だから、苦手を普通くらいにできるように、得意を大得意にしてください。
言語化するのが苦手で支離滅裂な文章になってしまいました。
書くより話す方が得意なので、見にきて教えてほしい〜という方がいたら声をかけてくださいね!