InstaChord
InstaChord
- 2020/5 からクラウドファンディングを始めた電子楽器
- ワンタッチで和音を入力できる
- 右手部分はアナログ入力になっておりウダーの技術が用いられている https://inline.inajob.tk/img/twitter-5643382/InstaChord/28a856d0-b76e-11ea-b8fe-ea292d1c673f#.png
演奏用記号
ボタン
HOLDモードの例
> table
oct, (-5)m7, <7>, <8>, <9>, 7, M7
menu, #, <4>, <5>, <6>, ~, sus4 7th lock, dim, <1>, <2>, <3>, 9, aug/6
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ネットウォッチャーとしてインスタコードの情報をまとめたい
ひとまずは辞書的に・・
レビュー下書き
インスタコード/InstaChordとは
ついに我が家にもやってきましたよ!
ってインスタコードって何?って人のために少しだけ説明すると・・
インスタコードとは「誰でも弾ける新しい楽器」です!
具体的には、こんな形の楽器で、ネックの部分のボタンで和音を簡単に選択でき、ボディ部分の6個のパッドを撫でることでギターのように演奏ができるというものです。
インスタコードのクラウドファンディングが行われたのは2020年5月のこと。
自分も「和音が鳴る電子楽器」を開発しているので、このクラウドファンディングにはかなり注目しました。
加えて、Maker Faireなどでも良く出会う、電子楽器の先輩(と勝手に思っている)「電子楽器”ウダー”の宇田さん」が開発にかかわっているという事で、自分の中の期待が非常に高まりました。
そして自分は6月1日に予約注文しました。
InstaChord ファーストインプレッション
非常に洗練された筐体で、かなりの高級感があります。
画面も大きく見やすく、音色も安っぽくなくいい感じです。
和音を選択するボタンは、ダイアトニックコードがワンタッチで選択できるようになっており、それ以外の和音については修飾キーを利用して選択します。
まぁこの辺の思想は自分も似たような楽器を作っているのでするっと理解できました。
全体的な仕様は予想していた通りで、そこに関して驚きは少なかったのですが、やはり「実物を演奏する」というこの体験はモノがあってこそです。
和音を選択した状態で6つのパッドを撫でるとギターさながらの「ジャララーン」という音が鳴るという体験は、予想していた以上の物でした。
InstaChordでは、伴奏のみでメロディを弾くことが出来ないのですが、そこはいわゆる「弾き語り」スタイルで、歌を歌いながら弾くというのが標準的な使い方のようです。
実際に歌を歌いながら演奏してみるとこれまた楽しく、あえて文字で書くとするとカラオケと音ゲーが合わさったような楽しい感覚を感じました。
開封動画や、使い方のチュートリアルなどはYoutubeに動画が上がっているので気になる人は見てみると良いと思います。
InstaChord用の専用表記「ICN」
さて、このInstaChordですが、クラウドファンディングにはよくある事なのですが、なかなか予定通りに届きませんでした。
2021年の8月あたりか、、という話だったのですが、昨今の半導体不足の影響をもろに受け、結局9月上旬から発送が始まりました。
(といってもクラウドファンディングとしてはかなり早い方だと感じています)
で、この待っている時間、「何か自分でもできないか?」と考えたのが「toICN」の開発です。
InstaChordは和音を簡単に入力できますが、和音というのは一般的な楽譜には「C」「Am」のように音名で書かれています。
では、InstaChordのボタンはこの音名と直接対応しているのかというと、話はそう簡単ではありません。
音楽には「キー」があり、キーが異なると曲を構成する和音のセットも変わります。そのため、キーがCの時によく使う和音は「C, Dm, Em, F, G, Am, Bm」ですが、キーがAとなると「A, Bm, C#m, D, E, F#m, G#」というようによく利用する和音の音名が異なります。
よく使う和音の数はキーが定まれば、さほど多くないのですが、キーに応じて異なる和音の表記がInstaChordのどのボタンに対応しているかをいちいち覚えておかないと演奏できないという問題があります。
InstaChordではこの問題を解決するために、あらゆるキーの曲を簡単に弾けるようにするために「InstaChord Number (ICN)」という特別な表記を用意しています。
ICNの簡単なものは単なる数字で「1」とか「2」とかです。
この番号はInstaChordのネックにある9つのボタンと対応しており、ICNが書いてある楽譜があれば、「C」とか「Am」とかのキーにより異なる和音とボタンの対応を覚えることなく演奏することが出来ます。
インスタコードに対応した楽譜をどうやって用意するか?
これはすごいんですが、このICNはインスタコード独自の表記のため、楽譜を専用に用意しないといけません。
InstaChordでは当初「楽器.me」というコード譜サイトと提携して、ICNをサポートした楽譜を提供する予定だったのですが、もろもろの事情により、この計画は頓挫しました。
現在InstaChordが公式で用意している方法としては「コード譜ライター」というツールがあります。これは一般的な音名に基づく和音(「C」とか「Am」とか)を入力すると、それをICNに変換して表示してくれるというアプリです。
「コード譜ライター」も便利なのですが、弾きたい曲の和音を調べて、それを入力し、ICNに変換する、という手間が結構面倒なのが難点です。
「コード譜ライター」で変換したICNをインターネット上で共有する試みも行われていますが、正しく権利処理しないと、歌詞などのデータは著作権侵害になる恐れもあります。
そこで自分が思いついたのが「toICN」です。
toICNの開発
インターネット上にはコード譜を公開しているWebサイトが多数あります。これらのWebサイトでは、一般的な音名に基づく和音(「C」とか「Am」とか)で和音が表示されるのみで、ICNには対応していないのですが、これを何とかICNに変換できれば、「コード譜ライター」にちまちま和音を入力して変換しなくても良くなるのでは?と考えました。
実現の手段としては、「ブックマークレット」を用いることにしました。
これは結構古くからある手法で、ブラウザのブックマークにURLではなくJavaScriptを登録することで、任意のWebサイトで独自の処理を実行できるというものです。
これを思いついて、簡単な実装を試してみて、公開したのが8/30でした。
その後GitHubでリポジトリとして公開したところ、InstaChordの購入者の方にも見つけていただくことが出来、さらには一緒に開発してくれる方も現れました。
toICNの開発の軌跡も紹介したいのですが、長くなるので、ここでは割愛します。
ともかく、toICNは「ワンクリックでコード譜Webサイトの楽譜をインスタコード用に変換できる」という便利なツールです。
InstaChord持っている人にはぜひ試してほしいです。
下記で利用方法をGIFアニメで紹介しているので、試してみる際は参考にしてみてください。
まとめ
InstaChord がやっと届いて、少し触ってみましたが、期待以上に面白い製品でした。
弾き語り用の楽器としてはかなり良いものとなっているので、楽器演奏が苦手だけど歌は好き、得意という人にはぜひ試してみて欲しいと思いました。
また拙作「toICN」もインスタコードで既存の楽曲を演奏するうえで非常に便利ですので、ぜひ試してみてください。
最後にこの記事を読んで「自分もInstaChordが欲しい!」と思った方!ぜひ下記リンクから注文してみてください。
(InstaChordは代理店を持たず、紹介パートナー制度を使ってマーケティングをしています。下記リンクは私のアフィリエイトコードとなっています。)