世の中にはケイちゃんより美人の女の子はいっぱいいる
サイ「しかし、私はケイちゃんとエッチしたいのです。意味わかる?」
ケイ「いや」
サイ「『美』は代替可能な基準だから、私はそれ自体に惹かれたわけじゃないの。つまり、ケイちゃんが美人だから好きになったのであれば、ケイちゃんより美人な人間が現れたら、そっちに気が移ることは理由として十分でしょ」
ケイ「わかるよ。そういうことは考えたことはある。人が人を好きになる理由は、もっと複雑だと思う」
サイ「不意に訪れる『どうして私はこの人を好きになったのだろう』という感覚に、明確な答えが欲しいの。私は割り切ってケイちゃんを愛せるほど強くないからね。実は私はケイちゃんのことをそんなに愛しているわけじゃないのかもしれない」
ケイ「先輩、猫飼ってるじゃん?猫を撫でてると、無条件に愛しいなって思うんだよね。無条件の愛の存在を認めるのはどうでしょう」
サイ「相手が言葉を喋る人間の場合、そういう感覚を持ちづらいのよ」