VRを用いた浮世絵鑑賞体験
https://gyazo.com/2a3d2ac2748ad57642c9f4833e4e14a4
浮世絵には現代人の3次元空間認識とは異なった空間表現の魅力があります。ここで題材として選んだ歌川国芳の作品「みかけハこハゐがとんだいい人だ」は、一見すると一人の男性を描いているように見えますが、よく見ると10数人の男性が寄り集まって大きな大人物を表現しているだまし絵になっています。この「組体操」を体験してみたいとは思うものの、重力のある実世界ではかなり難しそうです。そこで、コンピュータの力を借りてこの「組体操」を仮想体験することに挑戦しました。
具体的には、登場人物のCG(コンピュータグラフィクス)モデルの作成、モーションキャプチャシステムを用いた動作の取得、複数モデルが登場するアニメーションの時空間編集を通してビデオ作品を作成しました。こうすることで、特定の視点から描かれた浮世絵作品を異なる視点から見てみたり、作品として残された瞬間の前後の物語を想像したり、また、登場人物の1人の視点に乗り移ってみる、といった参加型の鑑賞が可能になりました。
https://youtu.be/ePBQGE_U_fo
本研究の発展として学生チームがVR体験作品「みかけハこハゐが 全部俺である」を制作し、IVRC2016(第24回国際学生対校バーチャルリアリティコンテスト)に出品したところ、見事、決勝大会で総合3位(川上記念特別賞)とUnity賞を受賞しました。この作品は、国芳作品の鼻、耳、口の構成員のポーズを真似ることでVR作品上の作品に参加するゲームです。
https://gyazo.com/458415df72f403b15011f512ba694212
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https://gyazo.com/8242e3c0affdd05af20bd556d775ccc2
発表論文
Shota Kusajima, Takuya Takahashi, and Yasuyuki Sumi: Virtual participation in ukiyo-e appreciation using body motion, 9th Augmented Human International Conference (AH 2018), 8 pages, Seoul, Korea, February 7-9, 2018. https://dl.sumilab.org/papers/140 草島将太, 高橋拓也, 友広歩李, 角 康之:身体動作を用いた浮世絵鑑賞への仮想参加, インタラクション2017(インタラクティブ発表), 情報処理学会主催, 東京, 2017年3月2日〜4日. (インタラクティブ発表賞受賞)
名生 圭佑, 松村 耕平, 角 康之: 創造的鑑賞体験を実現するための絵画作品の3次元CG化 〜歌川国芳の浮世絵を題材に〜, インタラクション2013(インタラクティブ発表), 情報処理学会主催, 東京, 2013年2月28日〜3月2日.
コンテスト
チーム¬広重(高橋拓也、浜本誠也、草島将太、友広歩李、菊地純輝):みかけハこハゐが全部俺である
メディア紹介
NHK ほっとニュース北海道, 2017年1月24日
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