自動車運転ナビゲーション
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すべての運転者が利己的な経路選択をすると渋滞が起きます。したがって、交通渋滞を緩和するには一部の運転者には少し遠回りしてもらう必要があります。本研究は、非利己的な経路を運転者に選択してもらうナビゲーションシステムを実現する技術の開発と評価に関するものです。
本研究はまず、現状の一般的なナビゲーションシステムを利用する際の運転手の行動観察から始めました。運転者は(それが最適経路であったとしても)度々システムから提示された経路からはずれることが確認されました。その理由は、提示された経路への運転者自身の慣れや道路状況に大きく依存していました。
その結果を受け、運転を始める前の運転経路提示の際に、最適経路以外に少し遠回りな経路を提示し、それを選択することでどれくらい渋滞が緩和するかを提示するシステムを作りました。さらに運転中に、3種類の音声エージェント(それぞれ、最適経路、慣れ親しんだ経路、混雑回避のための迂回経路を薦めるエージェント)による会話で経路ナビゲーションを行うシステムを開発しました。
現在、情報提示の手法や運転者の性格に応じた選好傾向の理解を進め、運転者の性格や状況に応じたナビゲーションシステムの開発に取り組んでいます。
発表論文
Briane Paul V. Samson and Yasuyuki Sumi: Are two heads better than one? Exploring two-party conversations for car navigation voice guidance, CHI EA '20: Extended Abstracts of the 2020 CHI Conference on Human Factors in Computing Systems, 9 pages, April, 2020. https://dl.sumilab.org/papers/128 Briane Paul V. Samson and Yasuyuki Sumi: Exploring factors that influence connected drivers to (not) use or follow recommended optimal routes, CHI '19: Proceedings of the 2019 CHI Conference on Human Factors in Computing Systems, 14 pages, Grasgow, UK, May 4-9, 2019. https://dl.sumilab.org/papers/130