七色少女
(XFDの二曲目)
お金を払うとフルで聴けるらしいですよ
僕らの周りは非日常で溢れている。
例えばいつもは曲がらない交差点の先
例えば入ったことのない神社の境内
新しい景色を見る度に僕らの世界は広がっていく。
なんてことのない雨の日からでも…
その女の子は空を見ていた。
傘もささずに空を見ていたから
「雨のなか何してるの?」
思わず問いかけてしまった
「虹のふもとには素敵なものがあるはずなの
それがあれば何か変えられるかなって思うんだけど」
空はただ黒と灰色で
雨はただ振り続けていて
君はずっと空を見上げてて
僕はずっと君を眺めていた
どれほどか時間がたった後
雨は次第に弱くなっていった
雨雲と雨雲の隙間から
水色が見え始めていた
昨日と同じ今日が来て
明日も同じ朝が来るんだ
灰色の世界を歩いているようで
景色はいつまでも変わらないまま
昨日と同じ今日が来て
明日も同じに見えたとしても
いつも通りの景色の間に
はかない光が隠れているから
例えばこんな雨上がりにかかる
虹色のような光が隠れているはず
「「見つけた」」
止める間もなく君は駆け出した
あっという間に行っちゃったけど
気になって仕方なくなったんだ
空を見てたてた時の君の横顔が
自転車のロック外して飛び乗る
チェーンが音を立てて回りだす
鼓動が聞こえ始めた頃に
やっとあの子に追いついた
ギアを入れて立ち漕ぎで進む
ちょっとだけ重い二人分のペダル
景色の速度は上がったままで
どこまでだって走れる気がした
気づいたら虹は消えていて
気づいたら来たことない駅で
ベンチに座って見上げた時の
君の笑顔だけは覚えてる
昨日と同じ今日が来て
明日も同じ朝が来るんだ
灰色の世界を歩いているようで
景色はいつまでも変わらないまま
昨日と同じ今日が来て
明日も同じに見えたとしても
いつも通りの景色の間に
隠れてる光を見つけだして
昨日と同じ今日が来ても
ほんの少しの勇気があれば
今日も明日も明後日だって
世界はカラフル輝くはずだよ
世界の色に気がついたとき、
色づける勇気が生まれたとき
どこにでもありそうでどこにもない
僕たちだけの物語が始まる