転用の美
ある用途のために作られたものを別の用途のために使用することに見られる美しさ
おしゃれな人は転用を生活に取り入れている
登山で使うジャケットを街で着るのは転用
トレンチコート ← 塹壕戦
ジーンズ ← 鉱夫の作業着
...的な例をもう少し知りたいbaku89.icon
「そのために作られたものでない什器をあえて自宅で使う」というタイプのおしゃれさがある
用の美を柳宗悦が提唱した民藝も、「それを敢えてここで使うっていう良さ」=転用の美がかなりの程度含まれている気がする でもそのことを大っぴらに言いたくないという気持ちはわかる
会話の中でたとえ話をするのも転用
村上春樹の小説がおしゃれとされるのはたとえ話が多いから
ゼロから力んで何かを生み出すんでなしに、既存のものをアプロプリエーション(盗用)することで新しい文脈を付加する
人類史上最も偉大な発明が「車輪」なら、2番目は「車輪止め」 IKEAの既製の椅子の足にドアストッパーをくっつける
そこに出自があるから転用も自然になり得る という感覚も一方ではある baku89.icon
例: カメラマンがセンチュリースタンド(撮影照明用の支柱)をインテリアに普段使いする
はじめから転用を目的にそれを手に入れる という倒錯性(が良いこともあるし、野暮なときもある)
単管とクランプで家具を作った時にどことなく後ろめたさを感じた
ヒップホップのサンプリングと近くて、出自へのリスペクトがある転用の方がいいみたいな感覚があるかもしれませんsngazm.icon 設定されたルールを外れた方法で目的を果たすことに人は気持ちよさを感じる
ホーム・アローンがおもしろいのは、トラップが全て転用で構成されているから
泥棒をトラバサミとかで捕まえても楽しくもなんともない
「正攻法でめちゃめちゃ上手くなって速くクリアする」というスポーツマンシップとは違って、プレイヤーの小さな逸脱が積み重ねられた歴史を観るという楽しさ
九龍城を見る楽しさと同じ感じかも 行ったことないけど