大人用の娯楽が少ない
この国では、だろうか。いや、他国の状況は知らんけど。
この現象には、中年の物語の作りにくさももちろんあるけど、大人が親になると子供テレビを一緒に見たり、少なくとも「子供に見せても問題ない番組」しか家庭に持ち込まなくなることも要因なんだと思う。 そうすると、結局「子供向け」「十代向け」「二十代向け」とボリュームゾーンがあったあと、「三十代向け」からガクッと需要が減ってしまい、また「子供向け」に戻ってしまう消費者がたくさん出てしまうことになる。
で、その健全で、教育上正しく、必ずしも技巧的に入り組んでいないものがたくさんあふれてくると、中二病的にそれに反発する精神性を持つ一群が出てくる……、のはわかるんだけど。 同時に、この現状でいいんじゃないか、反発を感じるほうがダメなんじゃないかくらいの気持ちもある。
実店舗なんかで、子供連れの親子が入っていって、小さな子供がそこら中いじり回して、その結果壊したり汚したりして、それを笑って許せないようなタイプの宝飾性豊かな文化って、むしろ滅びればいいんじゃないか、くらいのアンチスノッブな気持ちが自分の中にすごくある。
人類の種としての繁栄に寄与しないじゃん。
その2つに因果関係はないと思ってはいるけど、入り組んで今の気持ちはできている。
とはいえ、大人になったあと、きらびやかもビッグもなく、ファミリーしかないとしたときの、共同体の精神的閉塞感はわかるつもりだ。
人間関係に楽しさを見出せないタイプだしね。幸せとはコミュニティーの中にある、とか(隣人)愛こそ幸せ、とか言われると、それはそれで「はあっ?」となるのも私ではある。