『物語は人生を救うのか』の抜き書きとメモ
《作者よりも作中人物のほうが有名になる》
《こういう例を〈神話〉になったケースと呼んでいます》ミシェル・トゥルニエ P56 《むしろ作者の知名度が、主人公の知名度の七光りに保証されているくらいです》
《知名度はオリジナルより高く、二次創作のほうが有名になってしまったわけです(ちなみにシェイクスピアの戯曲の多くも「オリジナルより有名になってしまった二次創作」です)。》 ⇒フィクションとノンフィクションとリアリティと表象。これは4象限? representation
rèprɪzentéɪʃən / (米国英語)
表現,描写,表示,肖像,画像,彫像,代表(権),代理(権),代表参加,代議制度
⇒「象徴」とかじゃだめなのかな。
《「男」「女」に見られるように、区分というものが人間の思考に必要であるかどうかと、その区分がこの世界のすべての事例を完全に分類名ができるかどうかとは、しばしば関係ありません》P77
《しかし厳密に言えばこれは小説(フィクション)ではなく、偽書というノンフィクションの一分野に属しています。フィクションにとってもっとも大事な、「これは作り話ですよ」という流通形態が、『ポルトガル文』には欠けていました。もちろんそうどとしても、『ポルトガル文』の文学としての価値に変わりはないわけですごが。》
《このように考えてみれば、そもそもフィクションにはある意味でシミュレーションの側面がある、ということに気づきます。》
《一般論とはそんな、主語の大きな怪しげなものであることもあるわけです。 それでも、なんらかの一般論なしには、世界を認識することはできないのです、人間は(←これが大きな主語の例)。》P154
P185《そういう意見のかたにとっては「親切」というものがとても神聖なものなのでしょう。そういう人には、祖母のあの行為にまで「親切」という言葉を使おうとする僕の言葉のチョイスはショックを与えるかもしれません。》
《暴力的なお節介を推奨しているわけでもなく、逆に親切な行為をする心理的ハードルを上げたいわけでもありません。だれもが、自分の親切は相手にとっての暴力になる可能性を検討したうえで、その諦めをもって(でも気軽に)親切をしたりされたりするのが社会なのではないか、見返り目当てで親切をする人や、人のことを「恩知らず」と責める人や、「親切にする以上は最後まで責任を持って面倒を見るべきだ」と強弁する人の意見は、もう相手にしなくていいのではないか、と考えています。》P187