HUGっと!プリキュアのアンリくん
プリキュアシリーズの中で、色々と高(すぎる)理念をつっこんで、色々とタイムラインを賑わしている本シリーズ。
第一話から、共働きの両親との朝食シーンで、ママは「歓迎会で遅くなるかも」とパパに夕飯を託す。
赤ん坊を一晩中あやしていて目の下にくまを作っているお兄さんのシーンで、一挙両得を目指す…
いやはや、実にやりおる。
さて、その中で、タイトルにも入れたアンリ君の話。
主人公ズの1人が、「ふさわしくない」「女の子はヒーローになれない」と言われた後、「女の子だってヒーローになれる」という逆転の展開に持ち込んでいくためのきっかけキャラとして登場する。
6月くらい、19話だったかな?
本人自身、整った顔立ちもしているし、男物とか女物とか関係ないでしょ、似合う服を着るだけさ、という様子でウェディングドレスのようなを着ている際に敵につかまってしまい、救助が必要なシーンで、逆に
「いいんだよ。男の子だってお姫様になれる」
と声をかけられもするシーンもあった。
これだけでもすごいのだけど(男が、弱くても、助けを必要としても、恥ずかしくないっていうことだけでも)、それでもわずかな不満が私にはあった。
似合ってなかったらやれないのか? ということだ。
もっと極端に言って、
女で似合うならお姫様でいい
男でも似合うならお姫様になってもいい
女で、似合わなかったら?
男で似合わなかったら?
「似合うことをしているわけだから、既存の価値観に囚われてなくていいでしょ?」ということを主張した場合、2番目と3番目の間に線が引かれちゃうんじゃないの?
という風に見えてしまう。
それだと、メイン視聴者であるところの、女子すら救ってないんじゃないの? と。
だから、本当のところ、
似合ってなくても、
求められておらず、むしろ鼻白ませたり、顰蹙を買ったり、
他人の目に見苦しかったり、痛々しかったりしても、
それを本人がしたい・好きならやってもいい。やっていいだけじゃなくて、他人に後ろ指をさされたりしないし、本人も恥ずかしいと思わなくていい。
そこまでいかなきゃいけないんじゃないのかと。
それは個々人が本能に生存のための識別フィルターとして持っている根源的感覚を「抑え込んで」付き合っていくということでもある……。
それはさておき。
「声も低くなったし。背もどんどん伸びてる」
と、最近の話で本人が悩むシーンが出てきます。
直接的には、アンリ君の「闇落ち」用の伏線なのかもしれませんが、最終的には完全ハッピーエンドを目指すであろう子供向きの番組ですから、それすら乗り越えるとしたら、私の目論むメッセージすら発してくれるんではないかと、うっすらと現段階で期待していたりします。