AIにAIの使いかたを聞いてみた、パート②
こちらはchatgptではなく、claude。唐突にsonnetが返ってきていたので試していた。
私:
頭の中、人間関係、データ空間などから、人間が生き行動し食べる具象的空間へ、新たな価値を生み出すための知恵を取り出すために、どのような思考法が必要になるでしょうか。日常的な考え方、目の付け方、論の追求の仕方等のアドバイスを生成してください。
というような質問をしていた。
その結果が、入れ子箇条書きのartifactとして生成されてきて(後掲)、「頭に入らないなあ、もう少し「語り」がほしいよなあ」と思ったんですよね。 そこで、下のプロンプト。
私:
いま作成してもらったartifact「AIとの対話的価値創造の実践ガイド」の内容を、新たに小説形式の文章としたartifactも作成してください。ビジネスマンなどを読者として想定し、「青年と老師が対話する」形式で、「「でも、こういう場合はどうすればいいんですか?」「こうすることが大事なんじゃ。なぜなら、こうなっているからな」」というような会話的文体で語り直してみてください。
⇒ビジネス書や自己啓発書などの実用書の分野で、特に翻訳物の世界で、「老師と青年」が出てくる対話形式の本というのは、割りに定番です。マックス老人が名前もあることから一番有名かもしれませんが、別にそれだけということでもないです。 で、作ってもらえたのが下。↓
claude:
# 知恵を紡ぐ対話 - AIとの創造的な協働の物語
## 序章:出会い
春の終わりを告げる風が、古びた禅寺の庭を吹き抜けていった。若手起業家の山田は、噂に聞いていた老師を訪ねてここまでやって来た。人工知能時代の新しい知恵の探求者として名高い老師との対話を求めて。
「老師、お時間をいただけますでしょうか」
「おお、若いの。座りなさい。何か悩みでも?」
山田は深いため息をつきながら座り込んだ。
「はい。最近、AIを活用した新規事業の立ち上げに取り組んでいるのですが、なかなかうまくいかなくて。特に、AIとの対話をどう活用すれば良いのか、まったく掴めていません」
老師は穏やかな笑みを浮かべた。
「なるほど。では、この竹林で語り合おうか」
## 第一話:対話の始まり
「老師、正直に申し上げますと、AIと対話するときに何を聞けばいいのかさえ、よくわからないんです」
老師は静かに頷いた。
「それは当然じゃ。新しい道具との付き合い方は、誰もが最初は戸惑うものさ。だが、考えてみなさい。昔から人は、目に見えない知恵と対話してきた。それがAIという形を取っただけのことじゃ」
「でも、具体的にはどうすればいいんでしょう?」
「まずは、自分の思考を整理することから始めるのじゃ。断片的なアイデアでもいい。それをAIに投げかけ、異なる視点からの解釈を求めるのじゃ」
「アイデアの整理...ですか?」
「そうじゃ。例えば、こんな風にな」
老師は庭の砂に棒で円を描き始めた。
「あるアイデアを中心に置く。それについて、AIに『これは別の分野でどう考えられるだろうか?』『似たような事例は何があるだろうか?』と問いかけるのじゃ。AIは膨大な知識を持っている。それを活用しない手はない」
## 第二話:思考の深化
「なるほど...でも、単なる情報収集になってしまわないでしょうか?」
老師は穏やかに笑った。
「良い質問じゃ。ここで重要なのは、対話の質を高めることじゃ。情報を得るだけでなく、思考を深める対話を心がけるのじゃ」
「思考を深める対話とは?」
「例えば、こんな風にな」老師は新たな円を描き加えた。
「『なぜ』を重ねていく。表面的な答えに満足せず、その背後にある理由や構造を探る。AIは異なる視点からの問いかけを投げ返してくれる。それを受け止め、さらに深く考えることで、新しい気づきが生まれるのじゃ」
「具体的には?」
「例えば、ある商品アイデアについて考えるとき、『なぜこれが必要とされるのか?』『誰にとってどんな価値があるのか?』『それはなぜか?』と掘り下げていく。AIはその過程で、人間では気づきにくい視点を提供してくれるのじゃ」
## 第三話:実践への架け橋
夕暮れが近づき、竹林に影が伸び始めていた。
「でも老師、アイデアを深めても、実践に移すのは別の話ですよね?」
「いや、それが違うのじゃ」老師は立ち上がり、竹を指さした。
「見なさい。竹は地下で根を張り、地上で成長する。思考と実践も同じこと。AIとの対話で深めた考えは、必ず実践への道筋を示してくれる」
「具体的にはどうすれば?」
「例えば、アイデアが固まってきたら、『実現のための具体的なステップは?』『予想される課題は?』『それらをどう乗り越えるか?』とAIに問いかけるのじゃ。理論と実践を行き来する対話を重ねることで、実現可能な形が見えてくる」
## 第四話:継続的な発展
「なるほど...でも、そうやって対話を重ねていくと、収拾がつかなくなりませんか?」
老師は微笑んだ。
「だからこそ、対話を構造化することが重要なんじゃ。セッションごとに明確な目的を持ち、成果を記録し、次につなげていく。それは、この禅寺の庭の手入れと同じようなものじゃ」
「どういうことでしょう?」
「見なさい」老師は手入れの行き届いた庭を指さした。「この庭も、一日で今の姿になったわけではない。日々の手入れの積み重ねじゃ。AIとの対話も同じこと。小さな気づきを拾い、整理し、育てていく。それが新しい価値を生む土壌となるのじゃ」
## 終章:新たな旅立ち
夕暮れが深まり、寺の鐘が鳴り響いた。
「老師、今日は貴重なお話をありがとうございました。でも、まだ一つ気になることが...」
「何じゃ?」
「これだけの対話を、どうやって始めればいいんでしょう?」
老師は穏やかに笑った。
「始めるのに完璧な時などないのじゃ。今、あなたの中にある小さな疑問や気づき、それが対話の種。それをAIに投げかけることから始めればいい。失敗を恐れず、対話を重ねていけばいい」
山田は深く頷いた。夕暮れの庭に立ち、新たな旅立ちの予感を感じていた。
「明日から、まず自分の中にある気づきを言語化することから始めてみます」
「その通りじゃ。そして忘れてはならない。AIは道具であり、パートナー。最後に判断し、行動するのは、あなた自身じゃ。その覚悟を持って進めば、きっと新しい価値が見えてくる」
帰り道、山田の頭の中では、すでに明日からの対話プランが形作られ始めていた。
## エピローグ
この物語は、AIとの創造的な対話の始まりに過ぎない。
しかし、この対話から生まれる新しい価値の可能性は無限大だ。
それは、人間の知恵とAIの能力が出会うところに開かれる、
新しい創造の地平線なのかもしれない。
(終)
……、というのが出てきて、読みやすくてにまにましていました。
ところで、この中身、終章の「小さなメモから始める」一話二話の「概念の水平連想と垂直連想」なんかは、メモ術ノート法として普遍的な要素がありますね。そこをAIで補強するというのはいい手法かもしれないですね。
ただ、それだと、「まだ返答を返してほしくない一行メモ」や「継続して検討したい課題意識のリスト」や「ある程度価値の固まった文章の一覧」なんかをチャットとは別に、分離して管理できる機能がついてくるといいですね。
では、元のartifact。
# AIとの対話的価値創造の実践ガイド
## 1. 思考の発展と深化のための対話
### アイデアの展開と分析
- 初期的なアイデアや気づきの共有
- 断片的な思考や直感的な気づきを言語化
- 複数の視点からの分析と解釈の要請
- 類似事例や関連する概念の探索
### 構造化と体系化
- 思考の整理と構造化の支援
- アイデア間の関係性の可視化
- 概念の階層構造の整理
- 思考の枠組みやフレームワークの提案
### 批判的検討
- アイデアの検証と改善
- 潜在的な課題や限界の指摘
- 異なる立場からの反論考察
- 改善案や代替案の生成
## 2. 具体的な協働パターン
### ブレインストーミングの拡張
1. アイデア生成の促進
- 関連する概念や事例の提示
- 異なる文脈からの類推
- 予想外の組み合わせの提案
2. 発展的な質問の投げかけ
- 「もし〜だったら?」という仮説的問い
- 「なぜ?」の連鎖による深掘り
- 新しい視点の提示
### 分析と統合
1. 情報の整理と分類
- 複雑な情報の構造化
- パターンや傾向の抽出
- 重要な要素の優先順位付け
2. 多角的な検討
- 異なる理論や概念との接続
- 社会的・文化的文脈の考慮
- 長期的影響の予測
### プロトタイピングの支援
1. アイデアの具体化
- 実装の詳細検討
- 必要な要素の洗い出し
- 段階的な実現プランの策定
2. フィードバックの生成
- 想定される課題の指摘
- 改善案の提案
- 成功基準の明確化
## 3. 効果的な対話のためのアプローチ
### 対話の構造化
- 明確な目的設定
- セッションごとの具体的な目標
- 期待される成果の明確化
- 時間軸の設定
### 反復的な深化
- 対話の積み重ね
- 前回の議論の振り返り
- 新たな気づきの統合
- 継続的な改善サイクル
### 文書化と記録
- 知見の蓄積
- 重要な発見の記録
- 決定事項の明確化
- 次のステップの設定
## 4. 具体的な活用シーン
### 問題解決プロセス
1. 問題の定義と分析
- 状況の多角的理解
- 根本原因の探索
- 制約条件の明確化
2. 解決策の生成と評価
- 複数の選択肢の生成
- 実現可能性の検討
- リスクと機会の分析
### コンセプト開発
1. アイデアの発展
- コアコンセプトの明確化
- 価値提案の具体化
- 差別化要素の特定
2. 実現可能性の検討
- 技術的課題の特定
- 必要リソースの見積もり
- 実装戦略の立案
### 学習と知識統合
1. 新しい知識の獲得
- 関連する理論や概念の探索
- 事例研究の分析
- 実践知の抽出
2. 知識の応用
- 具体的な文脈への適用
- 既存知識との統合
- 新しい視点の獲得
## 5. 効果的な質問と依頼の方法
### 思考を深める質問
- 「このアイデアの潜在的な影響は?」
- 「異なる文脈で考えるとどうなる?」
- 「このアプローチの前提は何か?」
### 具体的な支援の要請
- 「このコンセプトの構造を整理してほしい」
- 「この案の潜在的な課題を指摘してほしい」
- 「実装に向けた具体的なステップを提案してほしい」
### フィードバックの依頼
- 「この考えの論理的な整合性を確認してほしい」
- 「見落としている視点はないか」
- 「より効果的な表現方法はないか」
## 結論:継続的な対話の発展に向けて
効果的な協働のために重要な点:
1. 明確な目的と期待の共有
2. 段階的な思考の深化
3. 具体的な成果物の設定
4. フィードバックの積極的な活用
5. 知見の体系的な蓄積
これらの要素を意識的に組み合わせることで、より創造的で生産的な対話が可能になります。
⇒今回、「老師と青年」プロンプトとして使ってみて、初めてこの形式の良さを感じた(笑)
いや、日本のビジネス書って、もともとかなり読みやすい文体で書かれていて、わざわざ中途半端な「小説形式」にする意味が分からなかったんですよね。(するなら、「なれる」くらいには、しっかり「小説」にしてほしい)
しかし、「分かりやすい」と思われがちな箇条書きでも、何十行にもなると、さすがに読みにくい、読んでられない。もうちょっと「語り」がほしい、となったときは、便利かもしれない。