日本教の神義論
日本人がもし本当に無宗教だとするのなら……
「神とは何か?」
と考えることは、ある意味ではそれ自体、認識的には無神論に近づく行為ではある。だって、本当に信じていれば、そんなことをわざわざ考え始めないから。
でも、
「神とは何か?」「善とは何か?」「神の御心に叶うとはどんなことか?」
……、ということを、考えずにはいられないとしたら、それ自体が、心的には神に縛られてることだとも言える。
心の底から100%プラグマティックに考える人は、そんなことをいちいち自問しない。
というのが、神義論、らしい。
なぜ、神がいる世界で、その教えにも忠実で、明らかに善人であるはずの人が、(あるいはそうであると自認する私が)不幸な目にあうのか!
という問いと糾弾がテーマであると。
ていう風にやっていくと、
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これが企業神に報われたっていうことだ。まさに日本教的ヨブだなあ(笑)。これは現実にありますよね。縄のれんのおかみとかホステスとかにぼやきながら機能神の神義論をやっ
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その意味では日本人はまことに神学的な民族であってね、こんな宗教的な民族はいない(笑) ということが起きる。
山本 日本人にはなじみのないこの神義論とは、簡単にいうと、悪とは何ぞやということなんです。だから、拝火教のような善悪二元論の宗教には神義論はないん
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ところが唯一神教ってのはこの点、大変困った問題があるんで、神が絶対であるなら、なぜ悪があるかってことになるでしょう。そうなると、いったい神の義とは何であるかと。これは大変矛盾した命題になるわけ
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社会構造ときわめてうまく対応している。機能しなけりゃ共同体は崩壊するんです。会社共同体は機能してるがゆえに存在するんであって、機能しなくなったら崩壊しますよね。ですから機能さすための機能神っていうのがいるんですよ。
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小室 日本教では、従来の組織神学的にいったら、神義論がありようがないんです。でも、構造神学的に考えると神義論は出てきます。なぜ神はときに 反機能的 であるのかと、それが
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企業を論ずる場合、必ず外国人との間に出てくる議論なんです。「あなたは敗けるために作戦を立てる軍隊があるということを信じ得るか」と。そんなものはあり得ない。じゃ、欠損を出すために機能する企業ってのはあり得ると思うかと。それもあり得ないでしょ
⇒利益が出ないとしても、義としてやらなければならない
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つまり、日本教の神義論ってのは、そこに出てくるはずなんです。すなわち共同体を維持するためには、機能集団はマイナスに機能することもあり得るっていうことです。これは共同体を維持することが第一なんだから、機能集団としてプラスに機能することはもちろんある。だが状況によってはマイナスに機能しても、共同体を維持しなきゃならない場合がある
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小室 ですからそれが共同体と機能集団との矛盾ですね。そして、そこをつなぐのが日本的神義論。そこに日本教的ヨブ記を書けるわけです。おれはこれほど会社のためにやった、業績も上げてる、なんの悪いこともしない。しかしなにゆえに会社が報いない
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つまりその場合には企業の機能集団としての要請と、共同体としての要請、その中に内在的矛盾があるがゆえに、それが彼にしわ寄せになったって場合がそうなるんじゃありません
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そういう矛盾を、そもそも会社が持っていて、その接点にきた人間において、どうしたら義があり得るかということですね。これはね、日本軍に中堅将校の悲劇っていうのがあったんです。日本国を憂いて、なんとかしなくちゃならないと思って一生懸命やると組織をこわしちゃうん
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小室 つまりヨブ記ですよ。おれはこれだけの技術がある。しかも人間関係もよく協調もあってすべての人に好かれている。それなのにこのおれがなんで朝から晩までなんでセールスをやらなくちゃならないのか、その悩み
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山本 ヨブ記っていうのはこの議論の繰り返しなんですよ。最後に神が出てきて「おまえは被造物じゃないか」という。そして、この場合、企業神がいうとすれば
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小室 で、「おまえの衣食住、すべておれがやったじゃないか。あの焼け跡を思ってみろ。企業神ががんばったおかげで高度成長ができたんじゃないか」