レゴブロックと言葉
レゴブロックと言葉・言語
レゴブロックには、通常の細かいサイズと、より低年齢向けのデュプロのサイズがあります。
倍角文字のようなデュプロは、操作がしやすいこともありますが、少ない手数で空間を埋めたり、立体を伸ばしたりできますので(まあ現実的な時間内に、チャンバラ用の剣だって作れます)それなりに高学年になっても、細かいレゴよりも使う子だっています。
(一番基本的な 『2×2ポッチ』のブロックが、およさ1.5cm平方になるのが通常、3cm平方になるのがデュプロです)
なんですが、これで格好いい造形を作ろうとするのはかなり難しいです。解像度が違いますからね。
他方で、通常のレゴには大人の愛好家だってかなりいる。
ここで「言葉」を使用するときにも、似たようなジレンマ構造があるな、ということを、ふと思いました。
言語は不完全です。
私が、「今日は暑かった」「りんごはおいしいよね」と言ったとしても、相手の頭の中に同じイメージを浮かべてもらえるとは限らない。
(それ以前に、詩人の人などがよく言うことではありますが、私の頭の中に浮かぶリンゴの味を、“おいしい” という単語が100%正確に、そのニュアンスを受け取ってくれているのかといえば、それすら違うわけですが)
デュプロのブロック4個を使って、『 h 』の構造を作って、「これ、キリンだよ🦒」ということはできる。見立てることはできる。
でも、その表現力というか再現度はかなり低い。
たから、より多くの個数を費やして、小さいサイズのブロックで形を構成すれば、伝わりやすさは上がる。
相手の知りたがっている、かけて欲しがっている気持ちの鍵穴ににぴったり入るような言葉を構成するような場面では、ブロックの1サイズが小さいことが、さらに武器になりやすくなります。
ところで、老舗の大人レゴブロックには、さらに強力なツールがあります。それはニュアンスブロックです。
いや、これは私がいま作った言葉ですが、例えばこんなブロックがレゴのレパートリーの中にはあります。↓
https://gyazo.com/51b31e264e6966ee07ec31dd1f05a60e
構造を作るだけなら、直方体や立方体的なブロックだけでもできるのですが、このような微妙な色の差異のレパートリーや、直接的には構造の連結に役に立たない、むしろ連結を終わらせてしまうような、表面の仕上げのための各種のブロック。
ちょうつがいや穴あきブロック、タイヤなどの機能系なブロックにも魅力はありますが、大人の目に味わいのある構造物を作るとき、これらのニュアンス調整のブロックがあることの効果は大きなものです。
レゴとは別のブロックの会社系列で、より細かい凹凸構造を持つ「ナノブロック」というシリーズがあります。
より1.5倍くらい細かいはずなのですが、東京駅や平等院鳳凰堂の完成図を見て今一つ感慨が湧かないのは、そういった仕上げのブロックが十分に使えないところにも要因があるような気がします。
(より小さな底面積の中に、複雑な構造を再現しようとしたこともあると思いますが)
それと同形の発想で、言葉を使うときにも、言葉のニュアンスブロックとでもいうようなものをきちんと使っていくことで、心象風景の再現度を上げていくことができるのだと思う。
ニュアンスブロックは、構造をつなぐのには役に立たない。また、そもそも構造を細かく調整できる小さな部品は、空間を大づかみに素早く押さえるのには不向きで、一部品あたりの作業効率が悪いとも言える。
形容詞とか副詞とか、文章を要約するときには、まず削除される。
多様な部品をストックしようと思ったら、おもちゃ箱を置いておくスペースを確保するのも大変だ。
それでも、そういう解像度を大切にする意識があってこそ可能になる伝達もまたあるのだと思う。
タグ 子育て、小さい声の技法、文章、アウトプット
---おまけ---
この記事には、画像が1枚だけ使われている。1枚しか、使っていない。
標準のレゴブロックとデュプロの違いとかも、実際に見せてしまう方が伝えやすかったかもしれない。
キリンの「h」とかも、画像があった方が伝わりやすいのは間違いない。
でも、ここはギリギリで「言葉の伝達力だけでも伝わりきるな」と書きながら判断して、そこはそうなった。
でも、ニュアンスブロックのところは、その現物をいくつか実際に見てみないと、その効力が“仕上げ”に及ぼすであろう影響をイメージしにくいだろうと思った。
それで今の形になっている。