かーそる4号宣伝期のメモ
from 2021/08/11-2021/08/20
かーそる4号宣伝期のメモ
具体的、というか、私がかーそる用の原稿を考えるとき、たいていは初心者向けというか、「その号の特集タイトルを、世間一般の本屋さんに並べたら、どんな希望を持っている人が手に取ってしまうだろうか」ということをまず一回考えてしまいますね。
ライティング特集の2号とか、メモ・ノート特集の今号とか。
そういうときに、すごく即効性を求めて買ってしまう人にも、なにか一つくらい持って帰るものがあってほしいな、という願いがあります。たぶん、色々な人が手に取ってしまうので。
でも、そこで単純に枠埋めで「役割」に徹してもつまらないので、手際とか語り口とかで、芸を見せる、そしてできればきらりと光るヒントを埋め込んでおく、そんな記事が書きたいことが多くなる。
ただ、ここは複雑なところなんですけど、たぶん当面は、かーそるを読む人ってかなり濃い人達なんですよね。
電子書店にしかルートがないし、そうするとすでに知っている人しかまずリーチしないし、ブログとかと違ってお金を払った人しか読まない。
そうすると、小さなことを派手にしゃべる、っていう、元気芸というかハイテンション文体というのがかなりミスマッチになってしまう。みんな、一通りの知識と思考錯誤をすませてしまっていますからね。
アメブロ的生活の知恵ブログ、みたいなテンションでは書きにくいんです。
お客さんを大人扱いするしかない。
そういう難しさが書き始めた初号ではありましたし、私の記事全般では、そのことと前段落の内容との間で、不思議なねじれ感があるはずなんですよね。
ただ、だから「いっき記事」は、確かに初心者向けではあるんですけど、単に「具体的情報を高密度にまとめてある」だけじゃなくて、すでに経験のある人にも、新しいひらめきとか実感のようなものが、脳内にひらめくように書いているつもりでもあります。
例えば、本号「授業ノート」。確かに、第一の機能としては、必要十分なまとめとしての機能があって、ノート技術格差というか、ノート貧困・ノート難民を即効的に救えることが目標とされているのは事実です。
ただ他にもねらいというのがあって、それは例えば「あっ、いわゆる授業ノートやそこで使われている技術というのを、俺が中級者になる中で、一段下に見てしまっていたけど、そんな授業ノート取りも、決して受動的な態度だけではなかったんだな」というような気づきを持って帰ってほしいとか、
あの3段階のレベル分け整理をコンテクストとして持ち込むことで、「あっ、ここでは紹介されていないけど、俺の知っているあのノート術も、ここで言うと “進化レベル” に相当するかもしれないな」みたいなノードが脳内でつながるような発火を誘発してあげたいと思っているし、さらには、
「ふむ、じゃあ、デジタルなノート取りをするときに、対話を起こして進化レベルを発動させるためにはどうすればいいだろうか?」という自発的な探求の問い立てが起こってくれたらいいな、という願いもあるのです。
地べたにつながる高さから入って、そこから三段分くらいの高さまでしかない、脚立みたいな記事に見えますが、ちゃんとそのてっぺんからジャンプできるようにはなっているので、空中の高さを味わってみてほしい。
まあですから、是非ともするっとは読み飛ばさずに、脳内の色々なところでひらめき火花が飛び散るように、耳をすまして読んでいただけたらな、と思います。
過激に読みやすくてすべりのいい文体で書いてはあるわけですけども。
ああ、あと、雑誌全体として見るときは、「授業ノートに話題をしぼってさえ、これだけの深さがあるの? じゃあ、他の記事を読んでいったら、どれほどの広がりがあるんだろう?!」という期待感を胸に、次のページは羽ばたいてもらいたい、というねらいもありますね。
そう考えると、まあ前がかりなリズム感にも、意義はあるということになってきますでしょうか。そんな、滑走路というか導火線のような役柄。
hr.icon
本が手元に届いて、改めて読んでいたけど、Goさんの「読書ノートでパーソナル・データベースをつくる」から倉下さんの「デジタルノートのディストピア」へつながる流れいいな。
Goさんの記事が、まさに、「考え、理解するために、手間をきちんとかける」作業の実例として思い出されてくる。「これだけのことをやっている人が現実にいるんだもんなー」と。
Goさんの読書データベース、とても真似できない(まとめる一文が思いつかないというよりも、それだけ長い時間をかけて何かをまとめたいという気になれない)。というのが、読んでいるときの感想だったのだったりする。
同時に、もう一つ枝がひらめく。
こんなにも、「上の階層を作ったり考え出したりしたい欲望があるものなんだな」「したいと願う人がいるものなんだな」と。そういえば、Tak.さんも、まとめ終わった後に折りたためるのが気持ちいい的なことをうちあわせCastだったかで言っていた。
私は、やはり、創造性や、(少なくとも習慣的・日常的には)アウトライナー的なツールは、左から右へ使いたい。ひらめきはもう、先に頭の中にある。「○○と△△の構造は、●●と▲▲の構造との類似を見るとおもしろい!」みたいに。
ただ、そういうものを変人の私だけではなく、普通の人にも分かるように伝えたい。それも、体感感覚的で非言語なはずの「コツ」とか「実感」みたいなものを、なんとかして言語で相手の頭の中に花開かせたい。
そのためにどんどん言葉を尽くす、言葉を呼び集める。
「ひとことで言い表すために、階層をのぼる」欲望とは、ベクトルにおいて結構逆を向いているんだろうな。