ドメイン工学
同一ドメイン内のシステムやコンポーネントは、共通な要求が多いため、多くの同じ特徴を共有します。したがって、1つのドメインで多くのシステムやコンポーネントを開発した会社は、過去の開発の知識を今後の同じドメインでの開発に活かすことができます。ドメインの知識を再利用可能な財産として残し、実際に新たな製品を作る最に再利用することで、新製品を以前よりもより短く、少ないコストで、高い品質で作り出すことが可能になるのです。ドメイン工学(domain engineering)は、これをシステム的に可能にする手段です。
ドメイン工学は、特定のドメインのシステムまたはシステムの一部の構築に関する過去の経験を再利用可能な資産として集めて、まとめて、蓄積することです。また、新しいシステムを構築するときに蓄積された資産を再利用する手段でもあります。
上掲書によると、ドメイン工学はドメイン分析(domain analysis)、ドメイン設計(domain design)、ドメイン実装(domain implementation)を含み、その成果物はアプリケーション工学(application engineering)で再利用される。また、従来のソフトウェア工学の方法論は特定の顧客のためだけのシステムの開発(単一システム工学)だが、ドメイン工学では再利用可能なシステムの開発を目的としたマルチシステムスコープを持つ開発であるとする。