視覚の特徴を応用した映像表現を考えてみる
現代に映像制作をするうえで、まだスクリーンに縛られているしかないが、運がいいことにスクリーンと眼球=脳の変換部分ではまだやりようがある。
脳内投影より前、モノクロスクリーンより後の、微細な液晶に信号を送っている今しかできないことを色々やってみよう、というお話。
昔の作品はそれをもう全面に出して変なことをしようと躍起になっていて、今見るとちょっとやりすぎだと思う。ただ見本としてはわかりやすいので引っ張り出してきています。今やるならもっとあっさりと隠し味にする。
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視覚情報に関する一通りのまとめがあった。応用効きそうなものばかり。
サッカード
私が映像を作る時によくモチーフにしたものはサッカード(跳躍運動)。
実は今もカメラを揺らすふりをしてこっちを再現している事が多い。
https://youtu.be/3VszLPPyBJo?si=afF6sfE3LUQfSliB&t=111
わかりやすい例。「苦悩歓喜安寧感の」まで。
ちなみに何かコントラストの強いものを見て残像を作った後反転した色のものを見ると残像が揺れ動いて実際にこれが見える。
それで、これは私が偶然意識できた要素だけど、もっと他にあるのであればそれを応用したいと思った。
ちなみにさらに微細な視野の動きは脳が補正してしまうので応用は効かなそう。
もしモニターの解像度がいまより更に高解像になったら、そのドットが動いているように見せる方法ができるかもしれない。補正に対して逆向きに1px程度の揺れを与えるなどして。
色覚
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これはすでにそういう作品(錯視とか)もあるけれど、目から実際に入る情報は本当に少なくて、映像を「観る」場合に密度は(特に外側ほど)無意味になることが多い。回避するには画面を小さくして枠を視界に入れながら見ることになる。
特に色は殆ど見えていないも同然。
AftereffectsにVignetteというエフェクトが有り、まあ当然こちらも本来はカメラの口径食の演出用だが、全然私はこれを視野の彩度落としなどに使っている。
https://scrapbox.io/files/6680e6ed40e134001cb3c135.png
これはもう彩度を落とすのではなく、180度色相を入れ替えたものをVignetteでマスクしている。周囲がくすんでケミカルになるが、基本中心を観る映像なので強く印象には残らない(というつもり)。
最近はこの中心から外側にかけて彩度が減るのを逆手に取ってVignetteにコロラマをかけ、白色に見えつつも虹色感のある質感を作ろうと色々やってみている。
https://scrapbox.io/files/6680e41661243a001d05cc66.png
これを普通に合成しても意外とゴチャつかない。
もし今後やるなら、中心で動きの激しいものを用意し、周囲に色、盲点に別のオブジェクトを置くなどでフル活用したい。ただそういう歌詞でないとすごい映像以上にならないので待ちです。