連作歌曲
連作歌曲とは、全体で大きなまとまりをなすように構想され作曲された一連の歌曲です。
代表的な連作歌曲には、次のようなものがあります。
ベートーヴェンの『遥かな恋人に寄す』
シューベルトの『美しき水車小屋の娘』『冬の旅』
シューマンの『女の愛と生涯』『詩人の恋』
ブラームスの『マゲローネによる歌』
フォーレの『優しき歌』
ドビュッシーの『ビリティスの歌』
声楽史上で最初の連作歌曲は、ベートーヴェンの『遥かな恋人に寄す』(作品98)です。アロイス・ヤイッテレスの詩を基に、第1曲と第6曲で愛の憧れを歌い、中間部の第2〜第5曲には丘の上から見た光景という共通した性格が見られます。
また、詩の各節ごとに異なる新しい旋律が付けられ、詩の内容の発展を音楽がともに表現する歌曲を「通作歌曲」といいます。シューベルトの『魔王』が特に有名です。