セリエル音楽
セリエル音楽(ミュジック・セリエル)は、1950年代に盛んに用いられた作曲技法です。
セリエル音楽は、音高(音の高さ)、音価(音の長さ)、音色、強度(音の強さ)などの音響事象をすべて音列(セリー)化し、順列的に操作して作曲します。この技法は、シェーンベルクの十二音音楽の体系を拡大したもので、総音列主義とも呼ばれます。
セリエル音楽の年代は、次のとおりです。
1949年 O・メシアンがピアノ曲《音価と強度のモード》を発表
1950年代初めにダルムシュタット夏期現代音楽講習会で、L・ノーノ、P・ブーレーズ、K・シュトックハウゼン、B・マデルナらがセリエル音楽を前衛音楽界に浸透させる
1950年代後半には、理論の煩雑化や偶然性やトーン・クラスター(音塊技法)の導入により、純粋にセリーのみによってつくられた作品は減少
1970年代にはB・ファーニホウらがポスト・セリエリズムの作曲家としてセリエル音楽を踏襲した作品を発表
セリエル音楽の考え方は、後にアルゴリズム作曲法に応用されることになります。