収入と倫理
「手段を選ばなければ、年収1,000万までは容易い」という話を聞いたことがある。
※正確には"年商"かもしれないが、便宜上"年収"とする
前提として、2010年代の情勢だから、2020年代の今も同じ手法が通用しているかは分からない。
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例えば、情報商材の売りつけ。
バカにしている人も多いが、手を変え品を変えやることで1,000万円までなら割と届くこともあるらしい。
通りで"なんとかセミナー"とかいうのが、未だになくならないわけだ。
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例えば、ホームページの作成。
こちらは、かなり生々しい。
地方で個人店を営んでいるご老人に、
「インターネットでお店を宣伝して、もっと人を呼び込んでみませんか?」
と話を持ち掛ける。
サイトの運用はこちらがやりますから、という話から始まり、
相手が興味を持ち始めると、初期費用はお高めになります、とかなんとか……。
そして、ホームページビルダーか何かで適当に"それっぽいサイト"を作り、
「ちゃんとネットに公開されてるざんしょ?」
と宣って、誰にも存在を知られていないサイトをPCやらスマホやらから見せつける。
"いんたーねっと"に詳しくないご老人は、
それで効果が上がるものと喜んで、高額な初期費用と運用費を支払い続ける。
サイトの更新などは、疑われそうになった時に少しばかりやれば良い。
そんな案件がいくつか成功すると、1,000万円までは割と届くとのこと
(それから先は大きな壁がある、という話も同時に伺った)。
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ではそういった手段を用いて、収入を得たいだろうか?
大多数の人は、No と答えるだろう。
私もその一人だ。
「収入に不満があるのは、きちんとした倫理観を持っている側面もあるからあんま気にしすぎんな」
とその人に諭されてからは、少しだけ気持ちが楽になった気がした。
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wrote 2024.01.21