作者はどのように振舞うべきか①
ニコニコ動画のVOICEROID界隈が大炎上している。
この界隈を遠目に見てきた私としては、やっぱりこうなったか、と思った。
というか「いつかこうなるだろうな」と思って、私は界隈から距離を置いていた。
発端となった経緯は、少し探せばまとめられた動画などが見つかると思うが、
ここまで炎上が大きくなったのは、もう少し込み入った事情がある。
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2020-2022年前期にかけて、VOICEROID界隈は大きく盛り上がった。
「かわいい女の子の"声"で、誰でも手軽に好きな言葉をしゃべらせることができる」
なんて技術が一気に進んだものだから、当然多くの人が興味を持った。
ニコニコ動画はまさにその主戦場で、
「女の子の立ち絵に"声"を当てて作品を投稿する」
という流れが加速し、特にウケた投稿者は多くのフォロワーを獲得した。
その投稿者の作品は、多くの再生やコメントを獲得してランキングの常連となった。
そしてニコニコ動画に留まらず、YouTubeにまで活動の幅を広げることになったのである。
これがプラスに働いたか。
……と言われると、まったくそんなことはなかった。
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2022年後期から雲行きが怪しくなってくる。
投稿ペースを上げるために、編集コストを下げがちになる
結果、作品の内容がワンパターンだったり、下ネタだったり、過激な内容だったりが多くなる
黎明期に数字を集めた投稿者のみでグループを作り、新規投稿者と交流しなくなる
結果、界隈に内輪な空気が蔓延する
SNS上の発言で、作者の性格が次第に露わになる
という振舞いが定着してしまったのだ。
当然、これから活動を始めようとしている投稿者や、黎明期に応援していた視聴者は面白くない。
しかし、言いたいことを率直に言えない世の中だ。
「作品を作っていることには変わらないし、人によって好き嫌いはあるよね」ということで、
みんな表向きには不満を漏らさないように、"大人の対応"を繕っていたわけだ。
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さらに時は流れ、2024年。
こんな状況が2年も続けば、さすがに嫌にもなる。
ランキングは一部投稿者の作品で固定化され、新規流入も激減。
苦言を呈する声もチラホラ見かけるようになる。
そんな燻った状況の中、投稿者グループの一人がやらかしてしまったのだ。
そりゃあ、燃えるわ。
ここぞとばかりに、グループ全員が矢面に立たされることとなったのは言うまでもない。
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このような一部始終を見た今。
私が同じ轍を踏まないためにどう立ち回るか。
ネットの片隅で、ゆっくり考えていきたいと思う。
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wrote 2024-02-01