【#1】制作経緯
1. 無料動画編集ソフトが進化した
Aviutlという無料動画編集ソフトがあります。
このソフトは非常に高機能なのですが、2010年代の状況としては、
再現性の低いバグが多発し、プロジェクトファイルが最悪破損する
情報がネット上で一箇所にまとまっておらず、真偽も不明
ソフトの更新が2013年で止まる
といった問題点から、"ワケあり"といった雰囲気が漂っていました。
しかし2020年頃、この状況が一変します。
「patch.aul」という、Aviutlのバグ修正パッチが有志により提供されたのです。
これにより、Aviutlの使い勝手が劇的に改善。
Aviutlをさらに快適に、効率的にする動きが加速しました。
正確な情報を集約する動きも相まって、動画制作の裾野が一気に広がりを見せました。
2. 無料合成音声ソフトが誕生した
VOICEVOXという無料合成音声ソフトが2021年7月にリリースされました。
その第一期生として、今や圧倒的な知名度を誇る「ずんだもん」が搭載されます。
この時期に、VOICEVOXとは別の無料合成音声ソフトが次々と登場しています。
COEIROINKというソフトも、そのうちの一つです。
「さまざまな声で自由に文章を読み上げてくれる」という新しいムーブメントの中で、
そういったキャラクターを愛でる、いわゆる合成音声界隈の規模も急速に拡大しました。
3. 立ち絵を動かす技術が進んだ
それでも動画編集に掛かる手間は膨大です。
特に、
キャラクターの瞬き(=目パチ)
しゃべっているような演出(=口パク)
が難題でした。
愚直にフレーム単位で表情を切り替えていては、時間がいくらあっても足りません。
しかしこれらを自動で行ってくれる画期的なツールが誕生します。
PSDToolKitというツールです。
正確には、2017年頃にリリースされたツールなのですが、初期設定の煩雑さや動作の不安定さが解消され始めたのが2020年頃だったのです。
これらの技術を複合させることで、アニメに近い作品が個人レベルで制作可能になりました。