星野源6thアルバムあれこれ
2025/05/24
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約6年半ぶりとなる新作アルバム『Gen』を完成させた星野源。コロナ禍での創作、海外アーティストとのコラボレーション、そして深まる孤独。そのすべてを語った。
このインタビューを読んで、星野源認識を改めることにした。
「自分がいていい場所はないとわかりました」
この言葉、重すぎる。
いやいやいや、あなたのアルバムは様々な人にきかれてあいされているし、十分あなたがいていい場所があるじゃないか、とやはり思うわけだが、多分こういう言葉も彼にとっては無理解で、孤独を一層感じさせるものなのだろうね。
私が感じていた彼への違和感というのは、「自分がやりたいことをやるには完全に新しいものではダメで、理解される形にしないといけない」ということを述べていたことから、それを肯定肯定するような言動を見るにつけ、「あなたの本当の魂なのか?」という疑問があることに、多分かなり比重がある。しかしこれはこのインタビューをもって認識を改める。(キャンプファイヤーにされている広告には少しこの感じをまた覚えてもいるのだが……)
他にも…「うちへ踊ろう」とか「本当の通は通好みの音楽を聞かない」といった発言に滲む、一部の人間を排除(拒絶、といったほうがいいかもしれない)するような雰囲気。あたかもさまざまな人間に味方します、私は弱いものの味方です、といった雰囲気を醸しながら、たまに強く切り離すような言葉を放つ。そういうところに辟易していた、というのもある。
この人に強く共感していたら、まったくその性質が違っていた、ということを強く認識させられる。それは当然な話ではある。彼は自分自身を消費されることを拒んでいると思うし、そこが彼の魅力でもある。私が星野源のことをいつまで経っても「星野源」としか呼称できないのは、多分こういう理由なのかもしれない。
これはまあ、今もある。このインタビューもまさにそうだととらえることもできるし。彼の孤独は、私の孤独とは違うのだね、という、ファン心理として、少しの寂しさだ。
まあひとまず私は早く彼のニューアルバムを聴きなさいね。まだきいてないよ。いのちの車窓から2も読んだほうがいいのかもしれない。結局私は彼が生み出すものに惹かれてしまいはする。
そんであれだな、エイトジャムは本当にいい番組だ。本当に丁寧に編集されているし、いやらしさがひとつもない。そこで紹介された楽曲全部「いいよね…」「良すぎる…」になった。星野源の曲はいいですよ。ほんとうに。みなさん。
https://www.billboard-japan.com/special/detail/4842
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「伝えたいことなどない」ということを言うアーティストに対して、昔、幼い私は意味がわからなかった。伝えたいことなどないのに、音楽があり、言葉があり、じゃあこの言葉や音楽はなんなの?と思っていた。
でも、今の私は、『Gen』を聴いている。彼が言う「伝えたいことなどない」の意味が、わかるように思いながら。
アルバムを聴く前に私は彼のインタビューやあちこちオードリー、エイトジャムを一通り見た。彼が「伝えたいことなどない」と言う言葉に対して私は、大好きな楽曲「Eureka」を思い出していた。確かにあの曲に何か明確なメッセージは感じなかった。でもそれがすごく心地よくて、リズムが、歌詞が示す景色が、ピアノが、他の様々な音がとにかく心地よかった。それでも、「君はうまくいくだろう 無責任な言葉でもわからないもので」という歌詞には優しさを感じて、心が意味に震えた。
「こういう世界だよね」ということを「こうみえている」と見せてもらえたような曲。
面白いものしかいらんねん
星野源は繰り返し言う「面白い音楽を作りたいというだけです」
本当に、どの曲も面白い。
おばけと2で泣いてしまった、、、
2曲とも泣くような曲じゃないんですけどね。
アルバム感想後編
異世界〜ユリイカの良さ
Eureka、マジで好きすぎる。
最初に聞いた時から好きという言葉を使う間もなく好きだったけど、時間を経て、休職に至って、聴くたびに、思い出すたびに、好きになる曲だ。
一番好きな曲は?なんて質問はいつも答えられないと拒んでしまうが、もしかしたらEurekaならこの質問の重力にも堪えうるかもしれない、と思う。それくらい好きだ。
この曲は、あまりにも「生」の歌だと思う。Sayonaraは死に向かい、異世界〜が死の世界との交流だとして、Eurekaってものすごく、生。それも、生きるエネルギーに満ちてるわけではない。生きようとか、生きてるといいことあるよとかそういう話じゃない。
ただ単に生、なんだよ。
冒頭「息を吹き返した」
「生きているただそれだけでその証拠なんだった」
目に映る虹、花、光。
季節、風、夜空。
感じている。
生きている、呼吸、鼓動、そういうものにこの曲のビートが呼応している気がする。
私の身体にものすごく馴染む。この感覚、みんなもそうなんだろうか?だとしたら、不思議だし、すごすぎる。
この曲本当にすごいと思う……。
わからない、と繰り返されるこの曲のタイトルに「わかった」とつけるセンスが星野源すぎる。
異世界混合大舞踏会を聴いて私は泣いた。
星野源、すごすぎて凹むし、最初から勝てるわけないけど、いつも完敗だ、と思う
理屈じゃない、パワーをもらう。
なぜなら私は星野源のことが好きではないからだ。
でも彼からいつも生きていく勇気をもらっている。死なないでいられる力を。