第5回:新聞の歴史と特徴
到達目標
1. 新聞はどのような特徴をもっているか
2. 新聞の利用と保存にどのような留意が必要か
新聞とは
不特定多数の人々を対象に,最新のニュースの報道と評論を主たる目的とし,同一のタイトルのもとに,ブランケット判もしくはタブロイド判の形態でとじずに刊行される逐次刊行物(『図書館情報学用語辞典 第5版』)
新聞とは、一般公衆のために発行されるもので、主に公共的な事柄、国際問題、政治その他に関する時事問題について文字で表現した情報の一次的な源となることを目的とする定期的出版物をいう(ユネスコ『図書、新聞及び定期刊行物の出版及び配布についての統計の国際的な標準化に関する改正勧告(仮訳)』)
報道が目的
簡単な製本(スクラム製本)
新聞の歴史
15世紀中頃 「フルッグブラット」(ドイツ),「ブロードサイド」(イギリス),「カナール」(フランス)
一枚刷りの印刷物(画像は「小野秀雄コレクション」より)
大事件が起きると発行される不定期刊行物
https://scrapbox.io/files/64662da736dcde001ccbba82.jpg
1609年 最初の宅配の週刊新聞
Relation(『レラツィオン』)@ドイツが創刊
その後,Weekly News@イギリス,La Gazette(『ガゼット』)@フランスが創刊
https://scrapbox.io/files/64662dcf085ea7001cc8a45b.jpg
1650年 最初の日刊新聞
Die Einkommende Zeitungen(『アインコメンデ・ツァイトゥンゲン』)@ドイツが創刊
18世紀には,イギリス,フランス,アメリカでも日刊新聞が創刊
19世紀 低価格化と大衆化
1833年 The Sunが1セント(従来は6セント)で創刊
1861年~ 日本での新聞
それまで瓦版(事件の模様を伝える1枚刷りの印刷物)
1861年 日本最初の新聞Nagasaki Shipping List and Advertiser創刊
週2回刊行
1862年 初めての日本語の新聞『官板バタビヤ新聞』創刊
1871年 最初の日本語の日刊新聞『横浜毎日新聞』
https://scrapbox.io/files/64662e74c881aa001c6cbccc.jpg
発行部数
https://scrapbox.io/files/6466322a16db44001c0eb52d.png
(日本新聞協会より)
全国紙の販売部数
新聞の種類
定期性
日刊,週刊,旬刊,月刊
発行規模
全国紙:全国に配布される
五大紙: 朝日新聞,読売新聞,毎日新聞,産経新聞,日本経済新聞
ブロック紙:特定地域への配布
北海道新聞,河北新報(かほくしんぽう)(東北),中日新聞(中部),西日本新聞(九州)など
地方紙:1県で発行,地元に密着
上毛新聞(群馬),静岡新聞,福井新聞,紀伊民報(和歌山),熊本日日新聞など
主要な地方紙一覧(リサーチ・ナビ)
スポーツ紙:スポーツ記事中心(その他,政治,芸能,趣味・娯楽記事など)
日刊スポーツ,サンケイスポーツなど
専門・業界紙:特定分野。業界に関する情報を掲載
読書人,日本茶業新聞,日刊鉄鋼新聞など
その他: 地域情報紙,児童・生徒向け新聞,学生新聞,外国語新聞など
Asahi Weekly,読売KODOMO新聞,など
サイズ別
ブランケット判:通常の新聞のサイズ
タブロイド判:ブランケット判の半分の大きさ。
夕刊娯楽紙(夕刊フジ・日刊ゲンダイなど)
その他の新聞判型(Wikipedia)
新聞の版
https://scrapbox.io/files/646633ff287628001bf88c22.jpg
同日でも配達地域が異なれば内容が変わることがある
データベースなどに収録されるのは最終版
https://scrapbox.io/files/6466342ad14312001ccd41a8.jpg
(大谷編『情報検索演習』より)
新聞記事の構造
5W1Hによる文体
いつ(WHEN)、どこで(WHERE)、だれが(WHO)、何を(WHAT)、なぜ(WHY)、どのように(HOW)
逆三角形の構成
大きな話題(結論)から小さな話題(詳細)へ
記事の構成要素
見出し,リード(記事の要約),本文
新聞記事の利用に関する注意
各社の政治的な立場に注意が必要
無署名記事が多い
→ 学術的資料価値低,有用性は期間限定
史料的価値
郷土・地域情報などを切抜きし,提供
フェイクニュース ← ファクトチェックの重要性
海外タブロイド紙(例: Daily Mail,The Sunなど)がソースの情報には特に注意
新聞の管理
新聞を知る
日本新聞年鑑
「日本の新聞界の動きと現況を詳細に記録した唯一の年鑑で、1947年に創刊」(日本新聞協会)
海外の新聞を調べるには(リサーチ・ナビ)
選択と収集
2 市町村立図書館は、前項の方針を踏まえ、充実した図書館サービスを実施する上で必要となる十分な量の図書館資料を計画的に整備するよう努めるものとする。その際、郷土資料及び地方行政資料、新聞の全国紙及び主要な地方紙並びに視聴覚資料等多様な資料の整備にも努めるものとする。また、郷土資料及び地方行政資料の電子化に努めるものとする。(『図書館の設置及び運営上の望ましい基準』)
42. 図書館は,全国紙,地方紙,政党機関紙のほか,それぞれの地域の状況に応じて専門紙を備える。(公立図書館の任務と目標)
特定の政党・政治団体や宗教団体などに偏らないよう注意が必要
利用
館内閲覧が基本で,貸出はしない
閲覧台や新聞(架)ラックでの提供(株式会社伊藤伊)
https://scrapbox.io/files/646635a908df1b001c014695.jpg
インターネットを介した利用
データベースの利用には,契約が必要
実践女子大学図書館が契約している新聞DB
保存
原紙保存
そのまま保存 ← 劣化,保存スペースなど問題
→長期保存対策必須
縮刷版
紙面をそのまま縮小印刷し,冊子形態で提供
地方紙では限定的
マイクロ化
写真技術により,縮小した資料に変換
マイクロ資料リーダーが必要
メディア変換
CD-ROM,デジタル化など異なる媒体に変換して保存
→ 媒体の耐久性に対する不安
分担保存
複数の自治体などで協力して,重複保存を避け,共同利用