第2回:図書の歴史と特徴
到達目標
1.情報資源としての図書はどのような特徴を持っているか。
2.図書と記録メディアはどのように進化してきたか。
図書とは
図書館の主要な資料の1つ
一般には<本>と同義に用いられ,文字などが書き込まれた紙葉などをひとまとめに冊子の形に綴じ付けたものをいう。書籍,書冊などともいう。近年では,そのうち特に印刷・公刊されているものをさしていうことが多い。
図書館では普通,以下の点で他の図書館資料と区別して用いる。すなわち,文字・図・写真などの伝達を目的とした内容があること,内容が紙葉に印刷されていること,紙葉がばらばらにならないようにひとまとめにされ,製本によって表紙が付けられていること,ある程度の分量(ユネスコの定義では49ページ以上)の非定期刊行物であることの4点である。なお,ユネスコの定義では48ページ以下のものはパンフレットとして扱う。(『図書館用語辞典』より)
呼び方
本: 日常用語
書物: 文化史
書籍: 出版業界
図書: 図書館用語
図書の特徴
文字・図・写真などの伝達を目的とした内容があること = 情報メディア
内容が紙葉(しよう,ばらばらの紙のこと)に印刷されていること
紙葉がばらばらにならないようにひとまとめにされ,製本によって表紙が付けられていること
ある程度の分量(ユネスコの定義では49ページ以上)の非定期刊行物
非定期刊行物 ⇔ 定期刊行物
図書・記録メディアの歴史
古代の印刷メディア
前30世紀 粘土板@メソポタミア
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石に文字を刻んだ例: ロゼッタストーン
古代エジプト語の神聖文字(ヒエログリフ)と民衆文字(デモティック)、ギリシア文字の3種類の文字が刻まれている。
同じ文章が3つの言語で書かれていた。
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前7世紀 パピルス
植物の茎を裂いて重ねた書写材料
つなげて巻物の形に = 巻子本(かんすぼん)
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前3世紀 羊皮紙(パーチメント)
羊やヤギの皮を加工して作った書写材料
パピルスよりも丈夫
冊子型(コデックス)の本の起源
紙の発明
2世紀 蔡倫による紙の発明
樹皮・麻屑などから製造 → 安価で製造
7世紀 製紙法の伝来
百万塔陀羅尼: 現存する世界最古の木版印刷物
活版印刷術の発明
ヨハネス・グーテンベルク(15世紀頃ドイツ生まれ)が発明
活字による印刷 → 大量複製
刊本(印刷本) ↔ 写本(手書きの本)
印刷革命(グーテンベルク革命) → 宗教革命への影響など
「西洋で最初の本格的な活版印刷術による書物」(『デジタル書物学事始め』)
初期活版印刷本 = インキュナブラ(揺籃期本)
18世紀後~ 産業革命による工業化・量産化
以降コミュニケーション媒体として強い影響
標題紙・ページ付などの機能の整備
1870年(明治3年)~ 日本でも活版印刷が本格化
電子書籍の誕生
1985年 日本での初期の電子出版物(CD-ROM)
2010年 電子書籍元年
多様な端末・形式・入手経路
いつでもどこでも書籍が入手可能
本棚の場所をとらない
文字や画像の拡大縮小が自在
音声や動画をはじめインタラクティブな表現
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図書の分類
形態別
単行書,文庫,新書,絵本,大型本など
主題分類
内容によって分類
図書館分類(日本十進分類法など) → 排架に利用
読むための本と調べるための本
読むための本 = 一次資料
オリジナルな情報を伝達するもの
小説,学術論文など
調べるための本 = 二次資料
一次資料の内容を編集・圧縮・加工したもの
参考図書(レファレンス・ブック)とも
辞書・事典,年表,年鑑など
二次資料の要件(長澤『情報と文献の探索』)
内容面では,二次的な情報を収録していること
形式面では,情報を編集意図に見合った単位に分割して,同一形式で表現し,それぞれに項目見出しを立て,それらを一定の方針にしたがって配列していること
形態面では,冊子形態の資料であり,参照が容易であること → 最近はデータベース化
図書の特徴(馬場『図書館情報資源概論』p.32)
記録性: 文字,記号,図形などにより,意味を記録し伝達できる。
保存性: 一過性でなく,いつまでも保存できる。
反復性: くりかえし読み返すことができる。
復元性: 複製,重版,復刻も可能である。
量産性: 大量生産が可能である。
保管性: 形態がほぼおなじで保管が容易である
軽便性: 鞄やポケットに入れて携帯できる。
経済性: 比較的安く手に入れることができる。
選択性: 多品種であり,主体的に選択できる。価値評価が多様。
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