文章と引用の主従関係
TL;DR
論文やレポートなどで引用を行う際には、引用された内容その文章の「主」になってはいけません。
著作権法第32条によると、
公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。
ここでの「公正な慣行」の内訳は（1）主従関係、（2）明瞭区分性、（3）出所表示を担保することです。
『コピペと言われないレポートの書き方教室』（山口 2013: ⅸ）
著作権法第32条の1
公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。
「公正な慣行」の内訳
1. 主従関係
2. 明瞭区分性
3. 出所表示
要約の権利は著作者自身に帰属するため（第27条）、「内容の要約だから」という理由で上記の慣行を無視できるわけではない。
明確な基準があるわけではないが、主張と論理展開に依存する。
『最新版 大学生のためのレポート・論文術』（小笠原 2018: 46）
コトバばかりではなく、論理まで先人のものでしかないなら、それはコピペである。だから論文には、必ず自己主張が必要になる。
YukiHayashi.icon 要するにアカデミック・ライティングにはアーギュメントが必要、という話に帰着する。