フィルターバブル、エコーチェンバー、そしてクワイエットストーム
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フィルターバブルとエコーチェンバー
こうした副作用に関する不安は、いまに始まったものではない。現在はアップワージー(Upworthy)の最高経営責任者(CEO)を務めるイーライ・パリザーは2011年に、TEDのステージ上でフィルターバブルについて警告した。それよりもさらに前、ハーバード大学の法学者であるキャス・サンスティーン教授は、自著『インターネットは民主主義の敵か(原題:Republic.com)』で「集団極性化」の効果を正確に予測した。集団になることで思考が極端に偏ってしまう「集団極性化現象」が、インターネットの隆盛によって促され、最終的には健全な民主主義の困難な課題になるだろうというものだ。フェイスブックが誕生する3年前のことである。 ディープマインドの研究チームは新たな論文で、異なる推薦アルゴリズムがいかにして、(彼らがそれぞれ定義したところの)フィルターバブルとエコーチェンバーの両方の現象を、加速または減速させるかについて分析した。この論文におけるエコーチェンバーとは、ユーザーが 類似コンテンツに繰り返しさらされることで、関心が強化される現象を指す。一方、フィルターバブルは、ユーザーがさらされるコンテンツの領域が狭まる現象である。研究チームは両者を区別したものの、フィルターバブルとエコーチェンバーは同類であると認めている。研究チームはこれを学術用語で「縮退フィードバックループ」と呼んでいる。縮退の高度なレベルとはこの場合、より強力なフィルターバブルあるいはエコーチェンバーの効果を意味する。 人間は複雑です。多様性に価値を置く一方で、人々が不信感を抱くほどに推薦の範囲を拡大しすぎると、ユーザーの信頼を完全に失ってしまうかもしれません」とコンスタン教授は話している。 フィルターバブルとは、ユーザーがさらされるコンテンツの領域が狭まる現象
エコーチェンバーとは、ユーザーが 類似コンテンツに繰り返しさらされることで、関心が強化される現象
クワイエットストーム
クワイエット・ストーム
クワイエット・ストーム(英語:Quiet Storm)は、ソウルフルなスロージャムを中心に選曲され、都会の雰囲気に合ったラジオ番組フォーマット。アメリカ・ワシントンD.C.のFM局WHUR-FMのDJ代役メルヴィン・リンゼイが1970年代中頃に始めたと言われている。クワイエット・ストームという名称は、当時よく使われたスモーキー・ロビンソンの1975年のヒット曲から番組名としてつけられ、 以後同様の番組フォーマットの代名詞となった。
ブラックミュージックのひとつに含まれ、厳密な表現をすると、メロウな音程・落ち着いたリズム・落ち着いたテンポの特徴を併せ持つ音楽ジャンルと言える。感覚的には、官能的・扇情的な雰囲気を含みつつも、かすかで思わしげな暗喩に抑制するような作風の曲と言うこともできる。ジャンル的には、ソフトロックやアダルト・コンテンポラリー・ミュージックに近いが、リズム・アンド・ブルースやジャズからの強い影響も加わっている。結局、都会的で、小粋な、シブく決めた音楽といったところになるだろう。クワイエット・ストームは1970年代中期から1990年代初頭のアメリカのベビーブーム世代に最も受けた。 じぶん好みのアイソレーションがかかったなんとなく雰囲気のあるものがさらりと流れるプラットフォーム 時代的にはMTV真っ只中であったはずなのに「キャッチー」よりも「耳ざわり」の方向へ振れたこのフォーマットに姿を重ねずにいられようか ああこれはクワイエット・ストームだったんだな どうしても聞きたい曲は検索して聞くよりも 流れてくるのをドキドキして待つか おもたい腰をあげて検索し リクエストのハガキ投稿よろしくの「これを聞いたひとはこれも聞きます」的な渦に呑みこまれるしかないんだな そんなふうに考えるようになった
レイドバック風味なじぶん好みのアイソレーションがかかった(ここがラジオとはちがう)なんとなく雰囲気のあるものがさらりと流れるこのプラットフォーム レコード棚から聞きたい曲を探すという楽しみのほかに「聞きたい曲を探さない むしろ聞きたい曲 おまえが来い」 そんな体験を知った2016年だった