情報は食べ物か?
情報は食べ物か?
筑波大学人文社会科学研究科 博士後期課程
李 文鑫 (Wenxin LI)
2017
概念メタファー
我々人間は、目、耳、鼻などの感覚器官によって世界を知覚し、また、手、足や体を使って行動し、世界とインターアクトし、五感で世界を認識している。つまり、知覚、運動に関わる身体的な経験は、人間の知的システムの発見の中核を成す概念体系の発見にとって重要な役割を担っている(山梨2012)。
しかし、全ての物事に関する概念は直接的に五感で認識することは不可能である。では、情報、感情、言葉のように実体がなく、抽象的な概念を我々人間はいかに理解しているのだろうか。認知能力3の1つであるメタファーはその答えをある程度我々に提示してくれる。 Lakoff and Johnson(1980)は、メタファーの本質を、一方の事物・概念を表す形式を用いて他方の事物・概念を理解するである解釈している。これは概念メタファー(ConceptualMetaphor)と呼ばれている(韓2013) 情報は水
例えば、情報が流れる、感情が溢れる、言葉を浴びせるというように、日本語では情報、感情、言葉を「水」として捉える傾向がある。つまり、我々は「水」という具体物の概念を用いて、「情報」「感情」「言葉」という抽象的な概念を理解している。
「感情」が「溢れる」
「言葉」を「浴びせる」
情報は食べ物
作文コーパスの中で、「情報」を検索すると、全部で936個の表現が得られる。以下のような用例である。
a1. 自らの一定のビジョンの下、主体的に情報を摂取してこそ与えられた。(JPO16-16)
a2. インターネットは紙媒体とちがって得体の知れない情報を呑み込んでは間違った情報にあやつられ、生活が破たんする恐れさえある。(JP132-08)
a3. 次から次へと、私たちの目に真新しい情報を一度に吸収できるかというと、そうではないと思う。(JPO87-09)
a4. インターネットが世界中に普及した現代社会では、様々な情報が飛び交い、私たちはますます正しい情報を自ら吟味していく必要にせまられることになった。(JP080-01)
a5. 情報を積極的に取り入れようとしなくても手に入ることが当然となることで、人々は与えられた情報をそしゃくせずに鵜呑みする傾向になってしまう。(JP104-05)
作文コーパスで全文を調べると、「情報」に関わる表現のうち、「摂取する」が1例、「呑み込む」が1例、「吸収する」が2例、「吟味する」が1例、「咀嚼する」が1例、「鵜呑みする」が1例現れている。a1 ~ a5 からわかるように、日本語母語話者は「情報」を「食べ物」として捉える傾向がある。
日本語母語話者は「情報」を「食べ物」として捉える傾向がある?
「情報」を「食べ物」として捉えているのは、日本語母語話者だけじゃない
Metaphor, Food as
"The essence of metaphor is understanding and experiencing one kind of thing in terms of another" (Lakoff and Johnson, p. 5). Many aspects of social and cultural life are talked about and experienced in terms of food. This kind of comparison occurs easily because of the systematic organization of food and food habits within each culture. Through language and through daily practices, food is ordered in terms of the categorization of foods, the organization of food production and consumption, and the linguistic expressions about food and eating. Cultural systems of food and food habits form conceptual frameworks that are metaphorical in nature. In other words, food, as anthropologist Claude Lévi-Strauss tells us, is good to think with.
「比喩の本質は、ある種のものを別のものに関して理解し、体験することです」(Lakoff and Johnson、p。5)。社会的および文化的生活の多くの側面は、食品の面で話され、経験されます。この種の比較は、各文化内の食物と食習慣の体系的な組織のために、簡単に行われます。言語と日常業務を通じて、食品は、食品の分類、食品の生産と消費の組織、および食品と食事に関する言語的表現の観点から順序付けられます。食文化システムと食習慣は、本質的に比喩的な概念的枠組みを形成します。言い換えれば、人類学者クロード・レヴィ=シュトラウスが私たちに言っているように、食物と一緒に考えるのは良いことです。 Food can serve as a metaphor for family, religion, sex, gender, social position, and group identity, among other things. These principal metaphors appear across cultures, but are organized locally as different peoples speak of different foods and equate them with specific elements of their lives. The following overview of food as metaphor provides explanations of the different metaphorical constructs with a variety of specific local examples.
食品は、家族、宗教、性別、性別、社会的地位、グループアイデンティティなどのメタファーとして機能します。これらの主要な比喩は文化を超えて出現しますが、さまざまな人々がさまざまな食べ物について話し、彼らを彼らの生活の特定の要素と同一視するように、ローカルに編成されます。以下の比喩としての食品の概要は、さまざまな比喩的な構成の説明と、さまざまな具体的なローカルの例を示しています。 だがしかし、情報を食べ物として捉えることは適切か?
摂取、排泄、消化といったメタファーを用いることが適切か否か 熱力学の概念