IEEE 754のバイアス
指数部は下駄履き表現(バイアスまたはエクセスとも。符号付数値表現を参照)と呼ばれる形式であり、実際の値に、ある固定値(ここでは emax = 127)を加算したものである。このような表現にしているのは浮動小数点数同士の比較を単純にするためである。指数部は大きな値も小さな値も表せるように負の値にもなるが、これを単に2の補数で表すと、全体の符号 sign とは別に exponent も符号を持つことになり、単純な大小比較ができなくなってしまう。そのため、指数部はバイアスされて常に正の値となるような形式で格納される。単精度では−126 ~ +127に127を加えて、1 ~ 254としている(0と255は特殊な意味を持つ。後述)。この表現により「指数が正の数」「指数が1の数」「指数が負の数」「0」を、この順に自然に並べることができる。浮動小数点数を解釈するときは、バイアスを減算して実際の指数を求める。