マネージャーとNegative Capability
Negative Capabilityという概念を最近知った。詩人ジョン・キーツが提唱したとされている用語で「事実や理由を性急に求めず、不確実さや不思議さ、懐疑の中にいられる能力」を意味する。対義語はPositive Capabilityで、所謂課題解決能力の事。
我が身に翻ってみると思い当たる事が多く、特にマネージャーをやっているとこの能力の有用性を感じずにはいられない。例えばよく目にするのは以下の様な事象だ。
新しく入ってきたマネージャーが成果を出そうと張り切って色々提案するが、芯を外していたり合意を得られてなかったりで現場でハレーションが起きる
ある問題を解決する為に新しいツールを導入するが、新しいツールが更なる問題を引き起こし以前より状況が悪化する
組織内で色々改善活動を試みるが、すぐには効果が出ず反応も芳しくないので心が折れてしまう
これらはpositive capabilityを発露しすぎたがゆえの事象とも捉える事ができるし、特に時間やリソースの制約がある中で人は短絡的に問題解決をしたくなってしまいがちだ。
ではどうすればいいかというと難しいが、体感的には少し肩の力が抜けている人の方がこうした問題にうまく対処できているように感じる。やる気がないという事ではなく余裕を持って長期的に物事を見れる人、というくらいのニュアンス。
一方で、色々な事にインスタントに解答を得られてしまう世界で宙ぶらりんのまま耐える能力を磨くのは難しくなってきているよな、とも感じる。
References