新古典主義
新古典主義 - Wikipedia
線の連続性や調和を重視し色を輪郭に即して用いる態度、色の効果を重視し色斑によって形体を描き出す態度の相違[注 3]は、絵画の誕生とほぼ同時に存在していたと言える程に根源的なものなのである。そして連綿と続くこの対立はアングルが指摘したように、色彩が優位を保つには手数が少なく素早い制作であることが不可欠であり、卓越した形体表現に必要な階調・バルールの徹底的な研究と絢爛たる色彩が両立しないことが根底的な理由である[4][5]。
新古典主義は輪郭重視
両立しないってマジ?
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背景の解説
新古典主義(アングル派):
ジャン=オーギュスト=ドミニク・アングルが象徴するように、線描(デッサン)や形体の明確な表現を重視。
輪郭線を重視し、色彩は形体を補完する役割。
古典的な美の理念を追求し、理性や秩序を強調。
例: アングルの《グランド・オダリスク》
対立派閥(ドラクロワ派):
ウジェーヌ・ドラクロワが代表するように、色彩そのものの効果や感情表現を重視。
色斑(筆触)の活用により、動きや雰囲気を描写。
感情的でドラマチックなテーマや、自由な筆遣いが特徴。
例: ドラクロワの《民衆を導く自由の女神》
『民衆を導く自由の女神』
引用に関連する理論
アングルが指摘した「色彩が優位を保つには手数が少なく素早い制作が必要」という観点は、ロマン主義のような自由で大胆な筆遣いの絵画制作を批判的に見たものです。新古典主義の絵画制作は、緻密で計画的な作業が求められるため、色彩の絢爛さを追求するよりも形体の秩序と調和が優先されました。
この「線と色彩」の対立は、美術史における長い論争の一部であり、**新古典主義(線描重視)とロマン主義(色彩重視)**の美学的な違いを象徴しています。