日本語の作文技術:読書メモ
About
著:本多勝一
Memo
0. まえがき
思想が強い
アメリカ合"州"国なんだ
1. なぜ作文の「技術」か
よくある間違い
話すように書く
見たとおりに書く
少しの技術でわかりやすさに差が出る
文章を"建築"する
Software Architectureと同じだ
構造化
言語とはすなわちその社会の論理である
いい言葉
植民地型知識人←強い言葉遣いすぎる
いくら日本語が論理的であっても,それを使う人間が論理的であるとは限らない
本当にそう
意図的かどうかは置いておくとして,混同する人をよく見かける なぜなのか
2. 修飾する側とされる側
文章修飾構造のネストに注意する
関係を最近傍に持っていく
翻訳とはSyntaxを変えることである
再構築のProcessを行わずに構造を翻訳しようとすると,対象となる文章は術後に対する体格や主格を欠いてしまう
日本語の大黒柱は"述語"である
非論理的なのは日本語なのではない.これを訳した人間,日本語を使いこなせない「使い手自身」こそが非論理的なのである.
正しい
底のないネスト
係る側に対して係られる側が欠落している場合
対処:
底を付ける
ネストを削減し直結する
3. 修飾の順序
用語
節
一個以上の述語を含む複文
句
述語を含まない文の最小単位
語順原則
1. 節を先にし,句を後にする
2. 長い修飾語は前に,短い修飾語は後に
3. 大近況から小近況へ,重大なものから重大でないものへ
4. 親和度(なじみ)の強弱による配置転換
原則1と原則2が最重要である
同程度の重要度を持つ
4. 句読点のうちかた
基本原則
1. 長い修飾語が二つ以上あるとき,その境界にテンを打つ
自分で書いた文章を読み直してみて,変だと思ったときにだけ,こうした原則を参考にすればよいのである.
指針として正しい
わざわざ構造図を書かなければ実現できないような代物ではない.
重要でないテンは打つべきでない
2. 語順が逆順の場合にテンを打つ
テンというものの基本的な意味は,思想の最小単位を示すもの
*語順が逆順の場合にテンを打つ*という原則の必要性を示す;なぜ語順を逆にしたいのか?
原則の通常運用では最上位に来ない語を「思想」として示すため
原則ではA->B->Cとなる文章において,Bをもっとも強調したい場合にB, A->Cとなる
筆者の思想としての自由なテン
テンのアンチパターン
マルと誤解されるような位置のテン
テンの前が終止形と同じ語尾の連体形
現代においても通用するルールなのか疑問
手書き時代の ―― 植字工が存在していた時代の産物なのでは
原則に反するようなテン
cf., 基本原則項
e.g., 逆順でないのにテンを売ってしまう
e.g., 長い修飾語があるにもかかわらずテンを打たない;誤った位置のテン
完全に直列接続された修飾語をわざわざ切り離してしまうようなテン
常識化したテンの打ち方
1. 重文の境目に
e.g., AをBし,CをBする.
修飾語が並列に定義される
第1原則:長い修飾語が二つ以上あるとき,その境界にテンを打つに吸収される
2. 述語が先にくる倒置文の場合に
浅倉透:グー👊
第2原則: 語順が逆順の場合にテンを打つへ吸収される
3. 呼びかけ・応答・驚嘆などの言葉のあとに
これは構文の厳格化に使用される:したがって原則の範囲といえない
4. 挿入句の前後または前だけに
これはやや分かりにくい
A->(B, C)->A'のような場合を指す
AとA'は直接関係する
いわばネストの開始点・終了点が存在するような文章
2大原則の組み合わせにすぎない
Tips
高次元のテンを生かすには低次元のテンを削減する
5. 漢字とカナの心理
異なる文字種を併用するとなぜわかりやすい文章になるか?(e.g., 漢字とカナの併用)
視覚化:絵画化か実行されるため
分かち書きを文字種で表現する
編集者のなかには,こういうとき統一したがる人がいる.「今」は漢字にすべきかカナにすべきか,などと悩んだ上に決めてしまうのは,愚かなことである.
学び
これまですこし盲目的になりすぎていた
送りがなについて
送りがなは,規定すること自体がナンセンスなのだ.文豪たちの作品を見られよ.なんと好き勝手にそれぞれの方法で送りがなを使っていることだろう.要するに,送りがな問題は文部省など黙殺し,趣味に従って勝手気ままにすればよいということである.
誤解のおそれがあるものに関しては,読者が解しやすいように統一したほうがよい
分かち書きにおけるテンについて
一切使用しないほうがよい.分かち書きとしての用法を避け,その目的には空白を使用すべきである.
外国語の表記方法について
外国語を正確にカナ表記することは不可能である
それでも表記したい場合,以下の点について留意する必要がある:
1. 努力しても実際と一致することはない
2. 実際に発音してみて,どれが近いかを考える
3. より日本人と親和性の高いものを選択する
e.g., 慣例を優先する
6. 助詞の使い方
7. 段落
8. 無神経な文章
9. リズムと文体
書評