ディープワーク
ディープワークとは集中力が最高に高まっている状態であり、そこでは思考能力が向上し、すばやく質の高い仕事をこなせる。ディープワークとはコンピューターサイエンスを専門とするカル・ニューポート (Cal Newport) 教授が作った造語。 生産性を高めるためには、数時間あらゆるコミュニケーションツールを使用せず、集中力を維持する必要がある。
チーム用のコミュニケーションツールから完全に距離を取ることができなくても、一度に 60 〜 90 分を目安として完全に仕事のみに集中する時間を確保することで、集中して仕事ができるというもの。スポーツ選手が「ゾーン」に入るときと似ている。 作業の調整やコミュニケーションタスクなど、気が散っていてもできる流れ作業のようなタスクをシャローワーク (浅い仕事) と定義している。再現性のあるタスクと言い換えることもできる。 ナレッジワーカーの時間の 60% がメールへの返信、プロジェクトの調整、ミーティングのスケジュール設定などの調整タスクに当てられているという調査結果 もある。 ながらスマホをチェックするなど、タスクを切り換えて作業していると、注意力の一部が前の作業に留まります。つまり提案書の作成作業に戻っても、脳の一部はスマホの画面で確認したメッセージについて思考を巡らせているのです。この現象は注意残余と呼ばれ、重大な損失をもたらします。研究結果により、中断後に集中力を取り戻すまでに最長で 20 分間を要する可能性があることが判明しています。そのため 1 時間に二度スマホをチェックすると集中すべき時間の 2/3 が吸い取られてしまうのです。 ディープワークの例
J・K・ローリングは、ハリー・ポッター・シリーズ執筆中はソーシャル・メディアから遠ざかっていた――当時、テクノロジーが進歩し、メディアとして人気も上昇していたのだが。最終的に2009年の秋、スタッフがローリングの名前でツイッターのアカウントを運用しはじめたが、ちょうど彼女が『カジュアル・ベイカンシー 突然の空席』に取り組んでいたときで、最初の1年半でつぶやいたのはこれだけだ。「これは本当の私ですが、あまりお話しできそうにありません。いまのところ私にとってペンと紙のほうが大事なので」