紙の六法は買うべきか
小さめのものでよいですから、買うことをお勧めします。
インターネット上にも、政府が作ったe-Gov法令検索があります。しかし、これをパソコン・タブレット・スマホで見ても、一覧性(一度に見ることのできる分量が多いかどうか)が低く、法律の全体像は?どのような法律があるの?といったことをつかむには不向きです。プロや、勉強の進んできた学生には、とても有益ですが。 基本的な勉強には、小さめのものがあればよいです。次のうちどちらでも結構です。
有斐閣『ポケット六法 令和2年版』
三省堂『デイリー六法2020 令和2年版』
(私が上記のうち一方の編集委員であることを、「ステマ」と言われないよう、念のため記しておきます。繰り返しますが、どちらでも結構です。)
もっと勉強が進めば、判例付きの六法(基本的な事例を、関係する条文の後ろに置いて、勉強しやすくしたもの)を買ってもよいかもしれませんが、最初はよいのではないかと思います。
小さめの六法は、毎年、9月下旬頃に新しい年のものが出版されます。毎年、6月頃に通常国会が終わり、また、9月下旬頃に大学の新しいセメスターが始まるからです。
なので、春に買うと、半年で古くなってしまいます。しかし、
1年生の最初の半年に、上記のように、法律の全体像は?どのような法律があるの?といったことをつかんでいるだけでも、大きな差になると思います。
横田明美先生が勧めておられるように、古くなった六法は、自分で切って、民法だけの条文冊子にしたり、サブノートに使ったり、すればよいのです。(『法学学習Q&A』23頁) 「法1」では、上記の六法に載っていない法律を教材として配布することが多いかもしれません。しかし、それはそれとして、小さめの紙の六法で基本的な全体像をつかむメリットは大きいと思います。
法学部(文科一類を含む)の定期試験では、「六法持込可」ということも多いですが、2020年度の「法1」では、持込不可として、もし必要な条文があれば試験問題の中に盛り込むつもりです。(新型コロナウイルスの関係で、試験がどうなるか、わかりませんが。)
試験に持ち込む六法には書込みができませんが、持込不可とするつもりなので、遠慮なく書き込んで勉強してください。
(世の中では「六法全書」と呼ばれているかもしれませんが、法律のプロの間では、「六法全書」というと、上記の小さめの六法より収録法令を格段に増やした1万円超の有斐閣の出版物を指します。本当に必要ならいいですが、間違えて注文しないようにしてください。)