2019年度 前期 農村マネジメント
授業の概要
近年の農業経営の法人化,六次産業化,株式会社の農業への参入など,農業者と共に企業からも農村ビジネスの新たな可能性への期待が高まるなか,心地よい地域を生み出す,地域おこしの農村マネジメントを学ぶ.
従来の組織(農協,土地改良区,農業委員会)を取り巻く経営環境が大きく変化するなかで,農業法人,生産者グループ,NPOによる取組みなど,組織やコミュニティに変革をもたらす組織(アソシエーション)に注目する.協働によって,人と人との関係性を向上し,潜在的な能力を引出し,新たな知識を生み出すチームづくりを,理論と共にフィールドでの実践から学ぶ.
授業の目的
①農業経営学,財務管理,経営戦略,マーケティング,マネジメントの実践的な内容を充実する.
②生産者・生活者の視点から地域での問題探索を学ぶ.
③個々人の力を結集し,コミュニケーション・合意・協働を促し,グループをチームにする資質を養成する.
到達目標
1.農業経営の基本的な構造や特徴点をとらえることができる.
2.決算書をよみ,改善方策を述べることができる.
3.ロジカル思考と共にシステム思考など基本的な思考ができる.
4.地域社会への参加がスムーズにできる.
5.共生に向けて協働の促進に取り組むことができる.
成績評価の方法と基準
出席と毎回のクイズ,提出課題レポートの結果を総合して評価する.
授業計画並びに授業及び学習の方法
第1回ガイダンス(農村マネジメントの特徴)
【思考法の基礎】 
第2回ロジカル思考(演繹法,帰納法),ラテラル思考(類推,仮説),
クリティカル思考(弁証法,背理法)
第3回システム思考
【農業経営】
第4回農業経営のかたちと収益目標
第5回生産費(原価)計算
第6回農業経営の要素とその利用
【農村社会】
第7回農業経営の組織となりたち
第8回診断と設計
【マネジメント】
第9回財務管理と利益計画
第10回経営戦略とマーケティング
【フィールド】
第11回 現地訪問(1)(集中)
第12回 現地訪問(2)(集中)
【共生をめざして】
第13回 持続可能社会と共生社会
第14回 協働の実践
第15回 農村ビジネスの創出
第16回 試験
できるだけ,現地訪問を企画します.土曜。日曜になります.
多くの方の参加を求めます.
教科書・参考書等
教科書
1.木村 伸男,『現代農業マネジメント~農業経営学のフロンティア~』,日本経済評論社,2008年,2400円.
2.矢口芳生『今なぜ「持続可能な社会なのか 未来社会への方法と課題』,農林統計出版,2013年,1500円.
3.堀公俊,ファシリテーション入門,日経文庫,日本経済新聞出版社,2004年,830円.
参考書等
1.渋谷往男,戦略的農業経営,日本経済新聞出版社,2009年,1800円.
2.田代洋一・小田切徳美・池上甲一,ポストTPP農政,農文協ブックレット,2014年,900円.
3.稲葉陽二,ソーシャル・キャピタル入門,中公新書,2011年,760円.
4.堀公俊,チーム・ファシリテーション,朝日新聞出版,2010年,1500円.
#担当授業、過去5年