私と尻型オナホ
先日に臀部、俗に云う「お尻の形」をした性玩具を購入しました。 購入の理由はとある絵描きさんがTwitterで同上のオナホのケツをしばき倒している動画を拝見し、私もやってみたいと思ったのが事の始まりです。
1.初夜
届いた箱を開け取り上げる。前情報で重さは2Kg程と知ってはいたが片手では到底持ってはいられなかった。それは、私の筋力不足だけが原因ではない。触れた瞬間悟ったのだ。その脆さを。
新生児の重さはだいたい3Kgと云われているが、皆はその3Kgを片手で鷲掴もうとは思わない。それは、その赤子故の脆弱さを危惧してだろう。だからこそ、人々は赤子を、弱きものを両手で抱える。
その時の私も同様であった。触れた先の感触、手頃な弾力に流線的なボディ。それだけで、私は本能でオナホを抱え取り上げたのだ。
ここまでして、我に返る。その胸に抱く桃のような尻に、己の愚行を突き付けられた。
すぐさまに、私は2Kgのぷりぷりな桃を箱にそっと戻し、床に着いた。
2添い寝
再度、箱を開ける。
そこには昨夜と変わらぬ尻がある。
しかし、臆してなるものかと私は奮起し、その尻を無造作に...しかしゆっくりと取り上げた。
今日こそはこの尻をしばくのだ。そう思い床の枕元へと配置した。しばき場を枕元にしたのには勿論、理由が在る。
事務作業等で机が使用できなかったためだ。しかし、ダイニングで尻をしばく訳にもいかなかった。そんな事をしては家族に「尻をしばくのが好きな異常者」と勘違いされてしまう。断じて好きではない。興味があるだけなのだから。いらぬ誤解はさせたくないのが血で繋がった肉親への健全たる配慮だろう。
閑話休題、私は枕元の尻に目配せする。純然たる尻に私の心拍数は確実に上がっていた。しかし、目の前にあるのは所詮は性玩具。
然らば、私は手に力を込めて打ち込むのみ。
瞬間、母の声が聞こえた。恐慌した私は異常な速度で布団を被り、脱兎の如くに偽装を施した。
横になり、部屋を暗くし母にも寝ることを告げた。
仕方があるまい。今日は終いだ。運命に抗わずに次なる機会を待つことにした。
しかし、諦観した私の後頭部に柔らかな圧力が掛かる。それは、幼少の頃の膝枕を彷彿とさせる懐かしさに溢れた衝撃であった。
オナホである。私はそんなセピア色の性によって微睡みへと落ちていった。
3.陽光
早朝、鳥の囀りが目蓋をつつく。そして、私の起床と共に微睡みは弾け飛ぶ。
焦燥、困惑、哀愁、様々なものが入り混じり感情はその本体を成していなかった。しかし、差し当たっての緊急事態はひとつである。
尻枕を感じないことである。昨夜に私を夢へと誘った淫魔の存在を認知できない。これは深刻な問題だ。
慌てて手探りで周囲を捜索する。しかし、体は起こさなかった。それは本能的に桃を潰さないようにしたためなのかもしれない。
そして、なんてことはない。目的のブツは少し所定位置からズレていただけであった。安堵し思わず、そのブツを抱きかかえようとする。
胸への重量感を味わったのは何年ぶりだろうか。
それは中学の時、飼い猫だった「みけ」を思い出す。彼女は寝ている私の下へ潜り込み、寒い夜を共に過ごした。あの夜の営みは中学の私にとって掛け替えのない思い出になったことは想像に難しくない。
早朝、今はなき家族の感触を胸に、夜と共に私は落ちていった。
4.入浴
使用はせずとも汚れはする。道具故の問題だ。
それは人間の尻を模倣した、この枕も例外ではなかった。
先んじて風呂を沸かしておいた私は尻を抱いて、浴場へと赴いた。
その日の疲れと共に体の穢を洗い流す。そして、不慣れな手つきで桃を撫でる。
その流線ボディに着いた汚れはみるみる湯で流されていき、気がつけばそこにはてかり輝く尻があった。
これで今回の目的は果たされた。私は完遂に喜び、そのまま尻と共に入浴をも共にすることにした。
湯に浸かり、オナホを抱える。どう取り繕っても異様だとか異常だとか、そんな生半可な表現で表していい光景ではない、正に悍ましいを絵にしたような状況であった。
その様な状況で私はあることに気付いた。それはオナホが軽いのである。
そう、オナホは湯に浮いたのだ。私の両腕は執拗な重量からの束縛を解放され、オナホはゆっくりと私の眼前へと浮遊した。
自由になった両手と目の前の動かない尻に私はすぐさまその尻を揉むことを決意した。
経験とは現代においてもなかなか得がたいものである。昨今の技術躍進のおかげで情報は格段に手に入りやすくなった。しかし、それにおいても経験に勝る情報はそうはないであろう。それは性的な体験においても同上である。
私は尻を知っている。観たこともある。しかしその感触に触れたことは自身のものにしかない。 このような動機から私の手は自然と二つの半球体状のシリコンへと向かっていった。
5.期待への不安
風呂からあがった私は漠然とした不安に晒されていた。別段、抱いたオナホを家族に発見された訳ではない。
揉み心地が普通であったのだ。たわわな二つの果実。その感触は、征服感を与え、優越感を募らせ、正に「素晴らしい」という評価に値するものだった。
しかし、それだけだった。私自身はその感情を真に抱きはしなかった。イメージとしての感触は正にそのもであった。しかし、私自身はその感想に何処か自身のものではないような違和感を覚えた。
それもその筈である。何故ならば、私はその感情を得るために尻を揉みしだいたのだ。ならばそのような感情が得られて当然だろう。即ち、私は自身で知らない内に「やってもいない行動」に対しての「経験時に得られる感情の推定」をしてしまっていたのだ。
それに気付いた時に私は将来が怖くなった。これから先に私が行うであろう「知っているが、行うのは初めての事」に関する感想は本当に私のものなのだろうか。
私の感情は本当に私が真に抱いたものなのか、私の尻揉みは本当に私だけのものなのか。
私の将来は私が選んだものなのか。
恐怖と不安とオナホと共に私は眠りにつくことにした。
6.抱擁
先日のこともあるが、学校の課題や研究、仕事すべてが怖くなった在る夜。
私は枕元のオナホを手繰り寄せる。
その柔らかな感触は、あのような感慨を知ることもなく私に甘美な心地を与える。
しかし、その感触を私は素直に享受できなかった。
最早、思考は掻き乱れ、感情は色褪せていった。
だからなのかはわからないが、私は無意識にオナホを抱き締めていた。
胸部に圧力が掛かる。しかし、その圧力は以前のものとは違った。
懐かしさではなく、安心感が私を包んだ。最後に人とこのような抱擁を交わしたのはいつだっただろうか。
人恋しかった訳ではない。しかし、その感覚は久しくなかったもの。
気のせいだろうか、涙腺が綻んでいる気がする。いけない。折角、洗った尻が汚れてしまう。
私はその胸中にある温もりを更に強く抱きしめた。
そうだった。私の感情が私のものでないからなんだ。素より私は独りでなど生きてすらいない。この身も言葉も時間も感情すらも、私独りの力で得たものではなかった。
新しき知見とオナホを胸に私は明日へと眠りについていった。
7.あとがき
ここまで読んでいただいた皆様、暇なんですか?ありがとうございます。
尻型オナホなんですが、しばくのはとても楽しいです。
しかし、実際の利用に関しては少し重量感があるので普段使いは少し難しいかもです。
あと、最後の抱擁の章では少し話を盛りました。流石に泣いてません。多分、これで泣くんだったらこの現実で先に泣いてます。
最後にもう一度、私が購入したオナホ置いときますね。 https://gyazo.com/4031bb41108a1756d5556efc02346660記述日:2020年11月09日01:57https://gyazo.com/0902b55512d817b36596c44228e2d840 https://twitter.com/intent/tweet?text=%E3%81%B2%E3%82%86%E3%81%86%E3%81%AF%E3%81%98%E3%82%81%E3%81%95%E3%82%93%E3%81%AEScrapbox%E3%81%AE%E8%A8%98%E4%BA%8B%E3%82%92%E5%85%B1%E6%9C%89%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F%E3%80%82%0D%0Ahttps://scrapbox.io/hiyu-hajime/%25E7%25A7%2581%25E3%2581%25A8%25E5%25B0%25BB%25E5%259E%258B%25E3%2582%25AA%25E3%2583%258A%25E3%2583%259B