遺伝子
赤色に発光するように遺伝子改変したメダカを未承認で飼育、販売したなどとして、警視庁生活環境課は8日、千葉県九十九里町の自営業、古川敏一容疑者(68)ら男性5人をカルタヘナ法違反の疑いで逮捕したと発表した。
赤く光るメダカ販売か 東工大から流出 カルタヘナ法違反で初の逮捕
CMAH遺伝子の突然変異が起きたのは200~300万年前であり、ヒトの「長距離ランナー化」が起きたのもほぼ同時期だったことから、ヴァルキ氏は「CMAH遺伝子の突然変異が、ヒトの持久力向上に関与したのではないか?」と推測しました。そこで、論文の主筆者でもある大学院生のジョナサン・オカーブロム氏は、小さな回し車に通常のマウスとCMAH遺伝子が失活したマウスをのせ、運動能力を測定する実験を行いました。その結果、CMAH遺伝子の失活したマウスは通常のマウスよりも12%速いスピードで、20%も長い距離を走ったとオカーブロム氏は報告しています。
さらに、CMAH遺伝子の失活したマウスは疲労に対する強い耐性を持ち、細胞内におけるミトコンドリアの呼吸や後ろ足の筋肉量が増えていることが判明。また、血液と酸素を効率よく体に供給するため、毛細血管が増加していることも確認されたとのこと。総合して、CMAH遺伝子の失活したマウスは高い持久力を持ち、酸素を効率的に利用できる体質に変化しているといえるそうです。
ヴァルキ氏は、「今回マウスで確認された変化がヒトにも適用できるなら、CMAH遺伝子の失活が狩猟採集を行ったヒトにとって大きな優位性を与えたと考えられます」と語りました。CMAH遺伝子が壊れたことでヒトに起きた影響は持久力向上だけでなく、免疫力の向上といった利点もあったとのこと。
しかし、ヴァルキ氏は「CMAH遺伝子の突然変異はもろ刃の剣でした」と述べており、CMAH遺伝子が働かなくなったことで2型糖尿病のリスク、赤身肉を食べることによるがんの発症リスク、体に起こる炎症のリスクが高まったとしています。「わずか1つの遺伝子変異とそれによる分子の変化が、ヒトの体と身体能力に大きな変化を与えました。CMAH遺伝子の変異こそが、ヒトの起源に迫るものです」と、ヴァルキ氏は語りました。
たった1つの遺伝子変異がヒトを「長距離ランナー化」して繁栄させるきっかけになった