端末ユニット不変性
端末ユニット不変性
これは単に、いま考察した循環系の毛細血管など、あらゆるネットワーク設計の端末ユニットは、生命体のサイズに関係なく、ほぼ同じ大きさと特徴を持っているという話だ。端末ユニットは、エネルギーと資源が交換される、配送と送信地点だから、ネットワークの決定的な要素だ。その他の例として、細胞内のミトコンドリア、肉体における細胞、植物や樹木の葉柄(最端末の枝)がある。個体が新たに生まれて成体に成長するまで、あるいは様々なサイズの新生物種が進化するあいだ、この端末ユニットが一から作りなおされたり、大きく再構成されたり、スケールが変わったりすることはない。例えば哺乳類の毛細血管は、子供でも成人でも、ネズミ、ゾウ、あるいはクジラでさえ、体の大きさの非常に大きな幅と多様性にもかかわらず、基本的にみな同じだ。
この端末ユニットの不変性は、自然選択の倹約性という文脈で理解できる。毛細血管、ミトコンドリア、細胞などは新しい種のネットワークに対応する、「出来合い」の基本構成要素の役割を果たし、その種にあわせてスケールしなおされる。個別設計における端末ユニットの不変性が分類上の生物綱を特徴づける。例えば、すべての哺乳動物は共通の毛細血管を持つ。ゾウ、ヒト、そしてネズミといった、綱の中の異なる種が持つネットワーク形態は、密接に関係しあっているが、その大小で区別される。この観点から、分類群間のちがい、例えば哺乳類、植物、魚類のちがいは、それらに付随する様々なネットワークの端末ユニットの特性のちがいが特徴だ。よって、すべての哺乳動物は似たような毛細血管とミトコンドリアを持ち、すべての魚もそうだが、哺乳動物と魚類では、それらのサイズも全般的特徴もちがう。
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同様に、都市の建物にサービスを提供し維持しているネットワークの電源コンセントや蛇口といった端末ユニットもまたおおむね不変だ。例えば、あなたの家のコンセントは、世界中のどこでも、どの建物でもその大小にかかわらず、基本的に同じだ。細かいデザインは地方によって小さなちがいがあるかもしれないが、おおむね同じサイズだ。ニューヨークのエンパイア・ステート・ビルディングやドバイ、上海、サンパウロのその他多くの同様のビルは、あなたの家よりも高さが五〇倍以上かもしれないが、中のコンセントと蛇口は非常によく似ている。もしコンセントのサイズが単純に建物の高さに比例してスケールしていたら、エンパイア・ステート・ビルディングの典型的なコンセントは、家庭用のものの五〇倍以上大きく、わずか数センチではなく、高さ三メートル、幅一メートル以上になる。そして生物界と同じく、蛇口や電源コンセントといった基本的な端末ユニットは、新しい建物を設計する度に、その建物がどこのどんな大きさだろうと、新たに考案しなおされたりはしない。
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