発明
発明(はつめい、英: invention)は、従来みられなかった新規な物や方法を考え出すことである。作られた新規なもの自体を指すこともあり、新規なものを作る行為自体をさすこともある。既存のモデルや観念から派生する発明もあれば、まったく独自に考案される発明もあり、後者は大きな飛躍を生む。社会の風習や慣習の革新も一種の発明である1。当業者にとって新規性と進歩性が認められる発明は、特許を取得することで法的に守ることができる。 当時、私が起きている時間のほとんどを費やしていたものは、きわめて技術的で説明するのが難しいが、やってみよう。私が「細分割表面」と呼んでいたもののベースにあったアイデアは、たとえば光沢のある赤いボトルを描くときに、いきなりその表面全体を描こうとしないで、その表面をたくさんの小さな部分に分割する。小さな部分のほうが色づけや表示の方法を見つけやすい。そうしてつくった部分を組み合わせれば光沢のある赤いボトルができるというわけだ( すでに書いたように、コンピュータのメモリ容量は当時かなり小さかったため、その制約を克服するためにさまざまな小細工をすることに労力を費やしていた、そのうちの一つ)。それでは、その光沢のある赤いボトルを縞柄にしたい場合はどうするのか。私は、縞柄や木目の模様をどんな対象物にも巻きつけることのできる方法を論文に書いた。 「テクスチャーマッピング」と名づけたそれは、言ってみれば曲面にぴったりとフィットするように貼りつけられる伸縮性のある包装紙のようなものだ。私が最初につくったテクスチャーマップは、起伏のある物体にミッキーマウスの画像を映したものだった。
ユタ大学では、新しい言語を開発していた。一人が動詞、一人が名詞、そして別の一人がその要素を数珠つなぎにして意味のある言葉にする方法を編み出していった。私が発明した「Zバッファ」と呼ばれるものは、ほかの人の研究をベースに発展させたものの一例だ。Zバッファは、コンピュータ・アニメーションのある物体の全部か一部が別の物体の後ろに隠れているときに起こる問題に対処するために考えられたものだ。隠れた物体のすべての面を説明するデータがコンピュータのメモリにある( つまり必要に応じて見ることができる)にもかかわらず、空間において求められている関係性によれば、全貌が見えてはいけない。問題は、コンピュータにどうやってその狙いを知らせるかだ。たとえば、球が立方体の前にあり、その一部を隠しているとする。画面には、球の面と、球に隠れていない立方体の部分が表示されなければならない。Zバッファは、三次元空間におけるすべての物体に奥行き情報を持たせ、コンピュータに画面を構成する各画素と最も手前にある物体とをマッチさせることでそれを実現した。
出典
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