概念化
身体と環境の関係を再構築するためのことば化
身体知の学びとは、熟達していないフェーズに始まり、一歩ずつ上達の階段を上るという漸進的なプロセスです。生態的心理学の思想(フォーダンスの考え方)に則っていうならば、身体が環境に順応し、環境と新たな関係を築くことが学びです。マギルの言葉を使っていえば、ある特定の環境に潜む制御可能性を学習した状態です。
しかし、学びは、環境との新しい関係をひとつ築くことや、特定の制御可能性を獲得するだけで終わるわけではありません。未だ知覚できていない環境に潜む制御可能性は常に存在します。更にそれを学習するためには、現在までに築き上げた身体と環境の関係を一旦壊して、新たな環境に潜む制御可能性を取り込んで、環境との関係を刷新しなければなりません。つまり、身体と環境の関係を常に再構築し続けることこそ、学びの本質なのです。(諏訪 2005, 2006)
論文
諏訪 2005
諏訪正樹. (2005). スポーツ身体知の獲得における言語表現の再構築. 日本認知科学会第 22 回大会発表論文集, 2005.
諏訪 2006
諏訪正樹, & 伊東大輔. (2006). 身体スキル獲得プロセスにおける身体部位への意識の変遷. In 人工知能学会全国大会論文集 第 20 回全国大会 (2006) (pp. 129-129). 一般社団法人 人工知能学会.
出典