敗北感の軽減
難しすぎるスーパーヘキサゴンはとっつきづらくも思えるのだが、実はカバナーは、初心者が投げ出さないためのフックも考慮していた。最初のうちはほんの数秒で勝敗が決まり、1分以上続けられることは滅多にないので、1回のプレイに時間とエネルギーを注ぎすぎることがないのだ。「すごく短いから、やってみたくなるかなと思って」とカバナーは言っている。
「それが吉と出たんだと思います。59秒で結局失敗しても、『自分は成長していない』という感じがしません。負けたと感じさせない作りになってるから、またすぐに戻ってやりはじめればいいんです」
ゲームが1回終わると、すぐに次のゲームがスタートする。敗北感に浸る時間を与えられず、気づいたときには新しい挑戦に集中しているので、そこまでの失敗の連続がなかったような気分になる。ルディック・ループがずっと続き、フロー状態から引きずり出されることがない。カバナーいわく、「再開すると、音楽がランダムな場所で始まる」のも、同じ効果をもたらしている。
「音楽が毎回最初から鳴りはじめると、負けるたびに、『ああ、負けちゃった。また最初からやり直しだよ』という気持ちになります。そう感じさせないことがとても大事なんです。負けたという気持ちを抱かせないことが」