従業員満足度
企業業績が上がると従業員満足が上がるかも
本研究で得られた傾向と,Schneider ら,さらには Lawler らの主張を併せて考えると,職務満足と職務成果との関係は一方向的なものではないのかもしれない。それは,何をもって職務成果とするかによって,職務成果が職務満足の原因となり,また,職務満足が職務成果の原因となり得る性格のものかもしれない。職務成果として企業の業績を取り上げた場合,その業績が経営者の経営判断や事業環境を強く反映するものであれば,即ち従業員にとって与件としての業績であれば,職務成果が職務満足の原因となり,従業員の仕事に対する態度をより強く反映するものであれば,職務満足が職務成果の原因となることが考えられる。職務成果と職務満足の時間的な関係についても,時期1と時期2(図1)の間隔が短ければ職務成果が原因となり,長ければ職務満足が原因となるのかもしれない。本研究のように対売上高営業利益率を用いた場合においても,月次や四半期など短期の利益率であれば,職務成果が原因となることが考えられる。今後検討されるべき課題である。
従業員の職務満足と企業業績