地図
map / mapping
地図は経度と緯度を用いたn象限である。
wikipedia*1より
地図とは、地球表面の一部あるいは全部の状況を、通常は縮小して、記号化し、平面上に表現したものである。 地図は「文化の総合的産物」ともいわれ、「文字よりも古いコミュニケーション手段」と称されることがあるように、表現手法として人類に重宝されてきた。
地図の具備すべき条件として、(1) 距離、(2) 面積、(3) 角、(4) 形の正確さと、(5) 明白さ・理解しやすさ等の要素があるとされる。
「地図は地理的ないろいろの象徴の中で最も普遍性のある、また最も目立ったものである」イザイア・ボウマン
イザイア・ボウマンによる地図の役割
分布の明示・測定の具象化・関連し合うものを同時に表現することの3点
地図の定義 *2より
オリヴィエ・ドルフェス『地理空間』、白水社、1975
空間に属する諸要素をそれらがある場所に位置付けることによって空間を形象化し、図式化したもの。
堀 淳一『地図-「遊び」からの発想』(講談社現代新書671)、講談社、1984
地表にあるもろもろの地物及び諸現象の分布を、それぞれの目的に沿った価値観・哲学にしたがって取捨選択し、適切なデフォルメによって目的に適うようにデザインした上で、主として二次平面上に(縮小して)表現したもの。
五百沢智也『最新地形図入門』、山と渓谷社、1989
人間の思い浮かべる地理空間のイメージを具体化して図にしたもの、あるいは人間が頭に思い浮かべている空間的な位置関係のイメージを図に描いたもの。
西川 治「地図と世界観」、言語vol.23‐7、1994
A 地域環境の構成要素の中から、その製作者にとって、あるいはその命令者、依頼者にとって、そして誰よりも住民にとって重要な事象を選び出して、それらの分布を各種の記号によって布や紙面などに描出したもの。
B 地域の実質が図面に表現された地域の表象
C 地域環境の縮図
国際地図学会 1995年第16回IGA総会(菊地俊夫ほか編(2005)『地図を学ぶ』二宮書店、はじめに)
地理的現実世界に関して、様式化された画像で、著作者の創造的努力により選ばれた主題について、主として空間的関係に関わる利用のために設計され、選択された形態または性質を表現したもの。
地図と絵図の違い
地図表現上のルールの公開・非公開
地図は空間情報に関する記述・伝達の手段である。地図では空間情報が記号や注記に置き換えられ、製作者や利用者が共有できるルールに従ってそれらが配列されて伝達機能が遂行される。こうした地図の伝達機能に注目して、地図を空間言語と呼ぶことがある。地図が空間言語ならば、地図の一種である絵図も空間言語である。
地図の製作者と地図の利用者が共有できるルールとは地図表現上のルール(デザインされた記号や注記のルールなど)である。それは、言語における単語に相当する。その単語を通して地図の利用者は記号の意味を理解し、地図を読み解いていく。近代以降の地図(とくに、地形図)は科学的な測量に基づいて作成され、この地図表現上のルールが公開されている。したがって、地図の利用者は誰であっても公開されているそのルールにしたがい、地図を利用することが可能になっている。
しかし、絵図では地図表現上のルールが開示されることは稀である。もちろん凡例がないということではないが、絵図中には凡例にない記号が使われていること多いのである。このことは絵図に製作者と利用者が共有できるルールが存在しないということではない。絵図の製作者と利用者の間に記号に意味について暗黙のうちに十分な共通理解が成り立っており、ルールを開示する必要性が低かったと理解すべきである。したがって、絵図を読み解くためには、まず地図表現上のルールを地図表現そのものから導き出すことから始めなければならない。
出典
1 wikipedia
関連
認知言語学における図と地(figureとground)
https://gyazo.com/96b7dba0655a465e5ce3f7c3208b8fa9
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