協調学習
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学習科学者の白水始氏は、自分の考えを声にし、それに帯する相手の反応(ときには異論)に耳を傾けることを繰り返して、建設的に思考を醸成するマルチボーカルな環境こそが、協調学習の本質であると説いています(白水 2012)。学習科学という研究分野の創設者のひとりである三宅なほみ氏は、協調的に学ぼうとしているグループでは、課題遂行にあたる役割、広い視野から問題解決プロセスを眺める役割など、役割分担が自然に発生すると論じています(Miyake 1986)。役割分担の自然発生こそが、課題遂行や飛躍的な提案を生むような建設的な相互作用をもたらすと論じています。
論文
白水 2012
白水始, & 遠山紗矢香. (2012). マルチヴォーカリティが育む未来への学び. Keio SFC journal, 12(2), 19-34.
Miyake 1986
Miyake, N. (1986). Constructive interaction and the iterative process of understanding. Cognitive science, 10(2), 151-177.
出典