中道
中道
特に引かれたのが、中道という考え方だ。昔からある仏教哲学の教えで、 瞑想 などの修行で活用されている。人の心では複雑な現実を把握しきれない、だから、心に浮かぶイメージやひな形、概念、物語といった形の真実に近いものに頼らざるをえないという。それで実用上は十分であり、これを中道思想家は実用的な真実などと呼んだりする。
だが実用に供するために我々が用いる近似は物事の真の姿と異なっているわけで、頻繁に、真実と認知が食いちがってしまう。我々の暮らしを支えている構造と、肩の力を抜き、つながり豊かで 芳醇 な人生を生きられるようにしてくれる流れとの調和を求めるのが中道である。