リフレーミング
猫のかみつきが、狩りか遊びかはフレームによる。
このフレームを捉え直すことで、物事の理解の仕方を変容させる。
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リフレーミング
心理学者のエレン・ランガーはこの考え方を何十年も研究してきた。ある日の午後、研究室を訪ねた私にランガーは、学習にはマインドフルネス、つまり積極的な価値の探求が必要だと話してくれた。ランガーによれば、このような思考態度、視点は、単に注意を向けることではない。その体験の新しさを強く意識する形で体験に関与する必要がある。脳の「自動操縦」モードをスイッチオフにして、能動的に専門知識を探求しなければならないのだと彼女は言った。
このマインドフルネスはさまざまな点でコンテキストに帰着する。関与の姿勢を育てるうえではフレーミング〔物を見るときの枠組み〕が重要な役割を果たし、学習そのものに意識を向けるためには何らかの刺激のようなもの、知覚の工夫がしばしば必要になる。これはランガーと話しているときにおかしな形で明らかになった。会話が時としてくだけすぎてしまうことがあったのだが、ランガーはユーモアというマインドセットで、私が礼儀を忘れていることについて「あなた、緊張してるでしょ!」とからかってくれた。
脳の自動操縦状態を解除するいちばんの方法は意味を探すことだ。例えばランガーは初期に行ったある実験で、学生を二つのグループに分けて教科書の文章を読ませた。両方のグループに同じ指示を与えたが、一つだけ大事な違いがあった。片方のグループには文章を「勉強する」よう指示し、もう片方のグループにはその文章を何らかの形で「自分にとって意味を持たせる」よう指示したのだ。
結果はどうなったか。「意味を意識させた」グループのほうが関与度が高まり、結果も良かった。理解が深く、よく記憶していた。さらに、その文章について作文を書かせたところ、「意味を意識させた」グループが書いた作文のほうがはるかに質が高かった。