タスク
向こうからヒマがやってくることはない
もし時間ができるようであれば、競争状態ではない
市場からは常にはやいうまいやすいの圧力を受けているため、時間ができることなんてない
「やったことがよさそう」という仕事をしている場合ではない
やれることは無数にある。常に「やったことがよさそうなこと」であふれている。
ところが、たくさんの「やったほうがよさそうなこと」のうち、本当に絶対にやったほうがいいこと、優秀な製品開発責任者の全員がうなずくものはほとんどない。そもそも厳格に精査されてることがほとんどない。
ではなぜ「やったほうがよさそうなこと」が存在するのだろうか。思いつきや自信が無いなら自然消滅して当然ではないだろうか。それらが存在するのは評価基準があるためだ。
私たちは明示された評価基準だけではなく、暗黙的な評価基準によって意思決定を促されている。たとえば、暇をしているよりも、効果はともかく手を動かしている人のほうが「彼は働き者だ」と評価されやすい、というものがある。
しかし、この「働き者は偉い、暇な奴は悪者」という考えがうまくいくケースは、やればやるほど儲かるようなことに限られる。需要が満たされず、作ったそばから売れるようなもの、在庫はいつかはけるようなものでは利益に貢献する。
ところが、現代では、作っても売れないことが当たり前にある。情報技術の発達によって、作り手と買い手は簡単にマッチングするようになった。2000年以前は地元の店に置いてなければ手に入れられなかった。高額でも我慢しなければならなかった。インターネットが当たり前になった現在では、一度も足を運んだことのない1000km離れた企業から購入できる。しかも一番安い店を、レビューという評判付きで探せる。
買い手は我慢しない。最も良いものを最も低価格で購入する。そのため、作れば買ってもらえるわけではない。1000km離れた企業よりも良いものを安く提供しなければならない。「やったことがよさそう」という仕事をしている場合ではない。