コーヒー・ハウス
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英国紳士を虜にした、コーヒーハウスの近代史。
コーヒーハウスは、瞬く間に人気スポットとなった。理由のひとつに、そこでは酒が提供されなかったことが挙げられる。当時は、階級に関係なく朝からエールやワインを飲むのが当たり前だった。勤勉とは程遠い有様で、健康にも悪い。
そこで初期のコーヒーハウスの店主たちは、コーヒーの効能を訴える広告を打った。ロンドン初のコーヒーハウス「ローズィの店」の宣伝ビラには、消化作用を助けること、頭の働きを早め、眠気を防ぐこと、痛風にも肺病にも腺病にも効果があるなどと書かれていた。これに飛びつかない人はいないだろう。しかも酒より格段に安い。
店内の雰囲気作りにも心を砕いたことは、壁に貼り出されていた利用規則を見ればわかる。身分にかかわらず誰でも歓迎。他人を口汚い言葉で罵ったりしないこと。賭博は禁止。大声での議論を慎み、静かに語り合うべし。現代のコーヒーハウスにも通じる、紳士的なマナーを客たちに求めたのだ。
かくして、コーヒーハウスは男たちが心地よく過ごせる場所として街に欠かせない存在となった。
コーヒーハウスの始まりは諸説ありますが、一般的には1650年にユダヤ人のジェイコブズという人がオクスフォードに開店したことから始まったといわれています。
ジェイコブズは、開店後数年でロンドンに新しい店を開きました。
同じ頃フランスの上流階級では、おいしいコーヒーの茶器と共にトルココーヒーが流行っており、コーヒーサロンが作られています。
当時1ペニーを払えば身分に関係なく誰でも気軽にコーヒーを飲めるコーヒーハウスは人気を博し、17世紀末にはロンドンだけで3000店以上、1714年には約8000店も誕生したといわれています。
近世のコーヒーハウスは、アルコールが禁止だったことはもちろんですが、雰囲気が悪くならないように賭博も禁止されていました。
店の壁には、「身分にかかわらず誰でも歓迎!」とか、「他人を口汚い言葉でしゃべること禁止!」、「大声での議論ではなく、静かに語り合うこと」など、店内の雰囲気作りに気を使っています。
要するに、紳士的なマナーをお客たちに求めていたようです。
初期のコーヒーハウスは、庶民が気軽に訪れることができる上品な社交場といったものでした。
コーヒーやココア、紅茶などを提供し、酒類は禁止という健全を重要とする場だったのです。
18世紀になると、このようなしばりつけは一切無くなり、酒を飲む人、トランプやサイコロなどの賭博も行われるようになっていきます。
静かに会話を楽しむ場ではなく、喧嘩が絶え間なく起こりました。
それにより、人々の足が遠のいたのです。
参考
17~18世紀、イギリスで流行したコーヒー店。多くの人が集まる情報交換の場となり、そこから新聞などのジャーナリズムが発展し、株式取引や郵便制度も起こった。
人々が活発に議論を戦わせる場所としてサロンやコーヒーハウスを例にあげながら、他社との議論にやいて、そうした「場所」が果たす役割を強調している
影響を受けた企業や活動
ロイズの発祥元