コミュニティ・オブ・プラクティス
経営学においては,Community of Practiceと呼ばれる研究が展開されている(LaveandWenger,1991)。Community of Practice研究では,実際に社会的プラクティスが集積されている場として組織をとらえている(Geiger,2009)。社会的なプラクティスとは,特定の時間や空間を超えて共有されているプラクティスである。例えば,正しいフォークやナイフの使い方は社会的なプラクティスである。社会的プラクティスを使いこなせたかどうかが,その社会に溶け込むことができたどうかの指標となる。したがって組織に受容されていくための手段として,組織の中で共有されている社会的プラクティスを使いこなしていくのが個人になる。またスキルやノウハウなど含めた知識は,個人が保有するものでなく,社会的なプラクティスの一部ということになる。Community of Practiceでは,このプラクティス理論のプラクティス観には依拠しているものの,未だ個入が中心単位となった分析にとどまっていることが問題点として指摘されている(Geiger,2009)。
Strategy as Practiceの現状と課題,そしてその可能性 #大森信