カテゴリー・オブ・ブロークン・プロミス
category of broken promises
このような地道な探索作業の結果、ボスのニーズを満たし、同社が製品特性として最もアピールすべきと考えたことが、60日間香りが長続きするという点だった。P&Gでは、これまで消臭芳香剤というものを「カテゴリー・オブ・ブロークン・プロミス」と揶揄してきた。これは、消費者がメーカーから常に約束を破られる製品カテゴリーだという意味である。
一般に消臭芳香剤は当然、いい香りがすることを訴えるのだが、実際にパッケージを開けた瞬間は、強い臭いが漂い、例えば「ラベンダーの香りです」と広告を打っていたとしても、およそ花の香りなど想像できない状態にある。
また、しばしば芳香効果の長期持続性を訴えるのだが、例えば「60日間使えます」と謳ったところで、現実には3週間ぐらいしか香りは保たれず、消費者からは実効性のないセールストークだと思われてきた。実際に、従来の芳香剤では、使用期限に到達するかなり前に微香状態となり、部屋全体をいい香りで包むことはできなくなっていた。